第580号(2007年2月1日発行)
シリーズ授業参観@ 携帯電話で授業を活性化
「携帯授業の効用」−デジタルとアナログの狭間で−
教育の情報化推進本部長 吉田 悦志 |
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川島助教授が、その授業に携帯電話を使用されているのを、私が細かに知ったのは、2005年度の文部科学省GP(グッド・プラクティス)申請に際し教育改革支援本部で本取組を選定し、申請文書作成作業に入ってからである。
私が担当する「日本文学」という講義科目に毎年400名ほどの学生諸君が受講する。出席をとる手立てが閉ざされていた時に、携帯授業システムを利用すれば、簡単に数分で出欠をとることができることを知り、先生に相談をした。ところが、川島先生は、出欠機能だけではなく、学生による授業評価(毎回)、小テストの繰り返し(毎回)もやってみてはと勧められた。本年度「日本文学T」は、小テストの評価を集計し、出欠点も総合して成績を付けた。テストもレポートもなく成績評価をしたのは、教師生活初めての体験であった。
まだ克服すべき課題はある。しかしこの携帯システム利用授業が、ほとんどの学部の教員(数ではない)が利用し、情コミスタイルから全学スタイルに着実に広がりを見せている実状から、「教育の情報化推進本部」預かりとして、当面可能な範囲で支援をしながら、さらに全学的利用者サークルが広がり、その中で検討を加え、継続性が確立できたときには、本部で全面的な支援体制を組みたいと考えている。
デジタルとアナログの狭間に、輝く教室が多く生まれることを期待したい。
(二部教務部長・政治経済学部教授)
【学生に聞く】
「何より授業の中身が魅力
携帯電話を使った授業は1年のときから履修しているので、今ではそれほど目新しさは感じないが、直接発言をせずに考えを述べることが出来る点で便利だと思う。
毎回配布される課題の回答集からは、他の学生の授業に取り組む姿勢が伺え、興味深い。
また、理解度についてのアンケートに応じて、先生も授業の進め方を変えてくださっていたと思う。
何よりこの授業の魅力は、テーマの深さと内容の濃さ。「大学の講義を受けている」という強い実感がうれしい。
(澁田裕介さん・情報コミュニケーション学部2年)
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