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明治大学広報
第584号(2007年6月1日発行)
論壇
教 室 
−教育改革の現場
二部教務部長 吉田 悦志
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 かねてから私は、至極当たり前のことを謂っている。教育・学習の「場」は、大半が「教室」であると。無論教室の外で行われる授業もある。それも科目や教育内容によっては、最も大切な授業形態であることに異論はない。

 昨日(5月18日)、3年のゼミ員と共に恒例の「江戸散歩」を4時限と5時限を使って行なった。書を捨て街に出たのである。秋葉原から靖国通りに出て九段坂上まで、学生が調べてきた「江戸」の解説を聞きながらゆったりと歩くのである。駿河台下・すずらん通り入り口右角地が古賀謹一郎邸で、古賀は九段坂にあった蕃書調所頭取であり、私塾・久敬舎を開塾していた。久敬舎は九段坂手前の俎橋そばにあった。そこに司馬遼太郎著『峠』の主人公・河井継之助は入塾するのである。6月1日のゼミはこの『峠』を、学生がレポートし、学生が司会をし、学生が議論をする。書を持ち教室に帰る。やはり帰る教育学習の「現場」は「教室」なのである。「教室」での学習環境を、あるいは学習内容をより充実し深めるために「江戸散歩」は設定された。

 私のささやかな教育事例程度の規模ではなく、もっと大きなプロジェクトとして「教育改革」に取り組んでいる教員もおられる。文部科学省等が公募する優れた教育取組に応募したプログラムから、採択された大学に補助金が数年間支給されるいわゆるGP(グッド・プラクティス)。平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に採択された商学部の『広域連携支援プログラム─千代田区=首都圏ECM(Education Chain Management)─』がその一例である。これは商学部の教育プログラムの中で産官学民連携と地域間の経済的共生を推進することにより広域地域経済の活性化を追究する取組である。こうした自治体と地域と大学連携による教育取組の理論的礎は、教員と学生による「教室」での深い教育学習があればこそだと思う。

 本学のIT環境は全国大学トップレベルだ。それぞれの教師、学生が「Oh-o! Meiji」システムを積極的に利活用し、教室に設置されている教材提示装置、PC、DVD等々工夫を重ねフル活用しながら、我が教育改革を「教室」で遂行する。書を持ち「教室」に集い、書を捨て街に、そして「教室」に!

(政治経済学部教授)



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