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明治大学広報
第587号(2007年9月1日発行)
本棚
伊能秀明 著 「法制史料研究4」
(巖南堂書店、8,500円)
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 本書は、2002年に上梓された『法制史料研究3』の続編である。我が国の法現象の歴史的な諸相や刑事博物に関する論稿、ないしは生涯学習振興のために実践した教育・研究日誌など、著者が勤務する博物館業務に関連して執筆した13篇の論稿から成り立っている。

 叙述対象は、古代の「十七条憲法」から、中世の「御成敗式目」、戦国大名の分国法、近世の十手・捕りもの道具、「鬼平」こと長谷川平蔵、明治26年刊行『徳川幕府刑事図譜』、昭和11年の「阿部定」事件まで、さらに今日の明治大学博物館の活動などと多岐にわたる。

 そのうち、第六章では、明治大学博物館の主要コレクションの一つであり、我が国で最良質・最大級の譜代大名藩政史料といわれ、膨大な史料群である日向国延岡藩「内藤家文書」の特徴を、非常に簡潔にまとめている。また、第九・一〇章では、旧明治大学刑事博物館の理念とその事業内容、各展示物の意義を論じており、いずれも興味深い。

 当事者にならなければ日常生活から縁遠い、刑事・法制の意味とその歴史を再認識させる良書といえるだろう。

森朋久・農学部講師(著者は博物館事務長)



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