農学部の長嶋比呂志教授(発生工学)らの研究チームは、体細胞クローン技術を用いてクローンブタの反復生産を行い、7月23日、世界で初めて第4世代となるクローンブタの誕生に成功した。 さらに同チームは、遺伝子組み換えによる糖尿病クローンブタの作出、凍結保存した核移植胚からのクローンブタの誕生にも成功しており、8月6日に駿河台校舎紫紺館で、これらクローンブタ関連研究の最新成果を記者発表した。 当日は山元洋社会連携促進知財本部長(理工学部教授)の挨拶に続き、長嶋教授、浦上研一(株)バイオス医科学研究所取締役社長らによるプレゼンテーションが行われ、記者団との活発な質疑応答が交わされた。 本研究は、2003年度から5カ年にわたって、(独)農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センターからの受託により、「クローンブタを用いた幹細胞移植治療の評価モデルの確立」を課題として取り組んでいるもの。最終的には、ヒトの再生医療への応用が期待される体性幹細胞移植治療の効果や安全性を、クローンブタを用いて厳密に評価するシステムの構築を目標としている。 長嶋教授は、「ブタは生理学的・解剖学的な特徴がヒトと類似しており、同一の遺伝形質を有する拒絶反応がない実験動物としてのクローンブタを多数供給できれば、今後の治療法開発や医療研究の発展に役立つ」とさらなる意欲を語った。 「クローンブタ関連研究の最新の成果について」記者発表が行われました(社会連携促進知財本部のページ) 前のページに戻る