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明治大学広報
第597号(2008年7月1日発行)
論壇
事務組織の見直しと職員に求められるもの
総務担当常勤理事 清水 秀夫
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 3年の歳月を費やし検討された新事務組織が昨年9月10日にスタートした。改編の目的と目標については大方異論は無かったと思う。大学を取り巻く環境を考えれば早期実施の必要を感じていたのは私一人だけではあるまい。1年半、2年経過後点検評価をすることになっていたが、既に見直しの声が大きく上がってきている。現場を直接担う職員からはもちろんではあるが、教学サイドからも点検・見直しの強い要望が出てきている。

 完璧で誰にでも受け入れられる組織の構築ははなはだ困難であるし、それもまだ10カ月しか経過していない時点での全体評価は早急の感がある。事務機構改革推進室で実施した聞き取り調査やアンケートでは、今までに無いプラスの結果も出てきている。多大なエネルギーと費用をかけた改編である。もう少し時間をかけて点検評価する必要もあるのではないか。

 しかし、職員からの悲鳴とも思われる見直しの声、教学からの新事業展開に対応できないなど、要望も無視できない。関係部署などからご意見を頂き理事会で検討し、緊急に見直しが必要なものについては早い時期に手を加えていかねばならないだろう。時代に即応した飛躍の出来る事務組織を構築してゆかねばならない。しかしこんなに早く多くの見直しの要望が出るとは予想外だったと思う。「組織は人なり」というが、新組織構築にあたり「思いやり」「こころ」といった側面からのアプローチが希薄だったのではないだろうか。

 ところで最近、「これからの大学職員」「大学職員に求められるもの」等々、大学職員に関するセミナーや誌面で特集が組まれている。職員は単に学生・教員をサポートする伝統的な「事務方」あるいは「教育サービスの補完者」だけではなく、スピードを伴った大学改革を進める中で、それに耐え得る知識と行動力を職員に求めたものである。本学においても同様と言えよう。

 中教審の「学士課程教育の構築に向けて」の審議のまとめでも職員に求められる資質・能力に言及し、職員の職能開発(SD)がますます重要で、個々の職員の質を高めていく必要性は一層大きいとしている。そして大学改革を実行してゆく上で職員と教員との協働が必要条件になってくると強調している。

 名ばかりの事務組織では本学のミッションは達成されない。組織を支える職員が置かれた環境を十分に理解、把握し、意識改革と能力開発を積極的に手掛けることにより組織に「魂」が注入され真の「事務組織改革」になる。少し忘れかけているように思われる「明治大学のために」「学生のために」を、もう一度念頭に置くことも大事なことである。



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