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明治大学広報
第597号(2008年7月1日発行)
本棚
「日本的流通の経営史」
佐々木 聡 著 (有斐閣、4800円)
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 このたび佐々木聡教授が上梓した『日本的流通の経営史』(有斐閣)は、著者の2冊目の本格的研究書である。研究者が本格的研究書を2冊上梓するというのは、なかなか困難なことである。それを実現させた著者に敬意を表したい。本書は、主に戦前のライオン、資生堂、花王において流通革新がどのように行われたのか、また戦時期の配給統制の実施過程、さらには、第二次大戦後の再編成過程、および1960年代の花王の再販制度導入を取り上げている。

 流通史に関しては、近年いくつかの業績が発表されているが、本書も手堅く実証的に、流通業界の変遷事情を分析したものとして貴重な功績であると言えよう。

 筆者もここ1、2年、P&Gや資生堂の中国における活動を取り上げつつあるが、従来の重厚長大産業である鉄鋼、自動車、電機、電子、半導体などに加えて、身近な化粧品・日用品などの消費財業界、またその流通組織の実態が分析されることは、経営史研究への大いなる貢献である。

安部悦生・経営学部教授
(著者は経営学部教授)



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