第599号(2008年9月1日発行)
校友会特集
世界に開かれた大学を目指して
学長 納谷 廣美 |
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大学は、「教育」「研究」「社会貢献」という3つの役割を担っています。そして、これからの日本と世界を背負う人材を育成することが21世紀の高等教育の目標です。大学教員は、自らの設定テーマを研究することだけではなく、研究成果を社会のニーズとマッチングさせながら、学生を教育していくことが必要となります。
私は1期目の学長就任にあたり、まず教育面では、社会的ニーズに対応した改革に取り組んでいくことが、重要な課題であると考えました。研究面では、世界に通用するレベルにまでその力を発展させるには、ある程度の時間が必要です。他方、社会貢献については、実社会で活躍されている校友の方と連携すれば、うまく展開できるのではないか。このように考えていました。
教育の改革においては、文部科学省等が公募する「大学教育改革の支援プログラム」GP(Good Practice)に対応するために、2004年に明治大学教育改革支援本部を立ち上げ、07年度には10件の本学の取組みがGPに採択されるまでになりました。この10件という件数は、私学ではトップです。
研究面では、数年前までは、本学は潜在的な研究力はあったものの、大学として組織的にそれらを支える体制がなく、5年前の「21世紀COEプログラム」では、世界的な研究拠点としては評価されませんでした。そこで05年に、学長のもとに研究・知財戦略機構を立ち上げて、研究環境を整備していくなかで、「グローバルCOEプログラム」採択にむけた体制を確立させ、本年6月、本学は平成20年度「グローバルCOEプログラム」に採択されるに至りました。本学が挑戦した「数学・物理・地球科学」分野では、14校が選定され、明治大学は、この分野で「唯一の私学」となりました。このことで、本学はようやく世界的な研究拠点としてのきっかけをつかみました。これからが飛躍へのスタートであると思っております。
社会貢献の面でも、確実に成果をあげていますが、ここでは時間の関係もあり省略します。
いずれにせよ、私は新しいことにチャレンジしつつ、明治大学の伝統を活かしきれる場はどこかということを常に求めながら、今後とも大学改革に努めてまいります。
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