第601号(2008年11月1日発行)
本棚
「EU企業論」─体制・戦略・社会性
高橋俊夫 編著 矢口義教、西剛広、清水一之 ほか 著 (中央経済社、2600円) |
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本著は、近年、病を克服して精力的に研究・執筆活動を続けている高橋教授の最近著である。氏の関係者6人の参加を得て、ホット・イシューの一つであるEU企業の問題に鋭く切り込んでいる。
第1章・終章の全体的総括とともに、ダッチ・シェル、スタトイル、ルノー、フォルクスワーゲン、レゴ、エアバスという重要な6社を取り上げ、各企業の特徴を摘出している。とりわけ、CSR(企業の社会的責任)の問題に焦点を当てていることに大いなる今日的意味があろう。
EUがどのように形成されてきたのか、それはどのような影響を世界経済に与えているのか、今後それはどこに向かおうとしているのか。こうした課題を、ロシアとの対抗関係を見据えながら、個別の企業活動を通して研究していくことは、経営学にとって魅力的な課題であるとともに、多大な刺激と貢献を与えるものであろう。
今後とも、高橋教授の旺盛な執筆活動を期待している。
安部悦生・経営学部教授
(編著者は経営学部教授、著者は順に経営学部講師、商学部講師、商学部講師)
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