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明治大学広報
第601号(2008年11月1日発行)
本棚
「保険法学説史の研究」
坂口光男 著(文眞堂、6000円)
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 法学の領域において、学説が法規範の解釈・運用、時には立法にも多大な影響を与えていることは多言を要しない。このような重要な役割を果たしている学説の形成・発展・承継の過程の解明を課題とし、学説が有する真の意味・内容および射程を明らかにしようとする学説史研究には、判例等を考察対象とする研究に勝るとも劣らない重要な意義が認められる。

 ところが、学説史研究は、その研究の方法論が必ずしも確立されたとはいえないという困難さを伴うゆえに、日本における従来の保険法研究には全くといっていいほど存在しなかった。その意味において、保険の理論的研究の開始期(16世紀)にまで遡り、1990年頃に至るまでのドイツおよび日本の保険法学説を網羅的・体系的に跡づけた上、これらの学説について子細な吟味・検討を加えている本書は、この分野における先駆的研究と位置づけることができる。

 また、本書は貴重かつ緻密な歴史的・比較法的・理論的研究書として、保険法学界に大いに寄与している労作というべきである。

 陳亮・大阪経済法科大講師(著者は法学部教授)



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