大学最後の1年を海に懸ける男がいる。ボードセイリング部の村上昌彌(商4)だ。とても明るい性格でムードメーカーであり、唯一の4年生として部もけん引している。 「大学から始めるスポーツで日本一になりたい」と入部したが、もちろんそれは簡単なことではない。3年間、表彰台にもなかなか届かず、足の故障や同期の退部など苦悩の日々が続いた。だが「このまま後悔したくない。この1年を海に懸ける」と海ごもりの生活を決意した。 そして昨年9月、ミストラルクラス関東選手権で初優勝。翌月のインカレ予選では3位入賞と波に乗っていた村上。ところがインカレ本戦の最終日、入賞を狙える位置にいた村上は、他大の選手と海上で衝突してしまう。数針縫うケガを負い、大会後はしばらく練習する気にもなれなかった。だが、「団体戦はまだ終わってない」という部員やOBからの言葉に目が覚めた。 2月末のインカレ団体戦に向けて再び走り出した村上。「優勝しか考えてない」と村上が力強く言った瞬間、風が、波が吹き流れ彼を勝利へ導いている気がした。 (むらかみ・まさや 商4、真和高出、170センチ・65キロ) 明大スポーツWEB 前のページに戻る