最上級生になりピッチャーリーダーに就任した大越遼介(政経4)はこの春、明らかに以前とは別人になっていた。 有望ルーキーとして期待されて入部した左腕は、「心が弱い」と言われ続けてきた。下級生のころは、うまくいかないとすぐ投げやりになった。将来を悲観し「サラリーマンになるんだ」と弱音も吐いた。それでも周囲からは期待され、新人戦では先発を任されていた。 3年になると、その年に入部した野村祐輔(商2)ら下級生投手の活躍が目立つようになる。秋季リーグでは1年生投手が先発し好投する中、大越は最終節の“消化試合”での先発のみ。しかも、制球が不安定で3回を投げたところでマウンドを降りた。 「このままじゃ終われない」。最上級生としての責任と意地で奮起し、自分に厳しさを持って練習できるようになった。卒業後は「プロ以外は野球をやらない」という覚悟までし、一般学生と同じように就職活動にも精を出す。 泣いても笑ってもラストイヤー。何事も悔いだけは絶対に残さない。 (おおこし・りょうすけ 政経4、日大三高出、172センチ・72キロ) 文・写真:橋本美由(政経3) 明治大学体育会硬式野球部 明大スポーツWEB 前のページに戻る