「逆境こそ楽しめ」。この信念をもとに毎日走り続ける選手がいる。明大競走部の紅一点・飯塚天子(政経2)だ。先生の勧めで短距離を始めたが、中学時代は「やめよう」とばかり思っていた。 高校1年生の関東大会で彼女に転機が訪れる。補欠だったが、急きょ出場が決定。しかし、結果は悔いの残るものに。その後悔をばねに練習態度は一変。高校では「初めてみんなのために走ろうと思えた」。 そして大学でも相変わらず短距離を続けている。「やるなら大きいところで」と体育会競走部への入部を決意。男子ばかりの環境でも彼女は迷わなかった。「そこに重要性があるわけではないし、自分さえしっかりしていれば」とひたむきに練習に打ち込んだ。取り組むうちに周りも声をかけてくれ、対等に接してくれたという。 それでも男子の練習についていけないこともある。だが彼女は「できない」とは絶対に言わない。「同じペースで走れなくてもついていくことはできる」。この不屈の精神こそが彼女を支えている。これからも、逆境を糧に前進し続けていくことだろう。 (いいづか・たかこ 政経2 日大二高出 165センチ) 文・写真:鈴木美穂(文3) 明治大学体育会競走部 明大スポーツWEB 前のページに戻る