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明治大学広報
第609号(2009年7月1日発行)
本棚
「原爆投下とトルーマン」
J・サミュエル・ウォーカー 著、林 義勝 監訳(彩流社、1900円)
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 終戦から50年を迎えたアメリカ合衆国、原爆投下問題の歴史的評価は、「神話的」正当化に直面した。原爆は、何百万人もの米軍兵士と同様、日本人を救うために必要だったという「神話」である。

 本書『原爆投下とトルーマン』は、この歴史論争に関わった著者ウォーカーによるひとつの総括であり、アメリカ側のみならず、昭和天皇の戦争指導への関与を含め、原爆投下決定過程を分析している。トルーマンは、戦争の早期終結を目指す上で使用前提の原爆を使用せず戦争終結が延長した場合の批判、膨大な原爆開発費、対ソ牽制、対日感情など複合的な要因をもって投下を決定した。しかし、本当に原爆は必要だったのか。なぜふたつの都市に投下されねばならなかったのか。我々は「神話」を超え、この問いに継続的に取り組むべきと著者は主張する。

 本書翻訳は、大学院ゼミナールの研究活動の成果である。監訳者はアメリカ史の林義勝教授、詳細な解説は日本現代史の山田朗文学部教授による。

 高田馨里・文学部兼任講師(監訳者・解説は文学部教授)



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