本学は２年連続で研究高度化や国際化推進を目的とする文部科学省のグローバルＣＯＥ、グローバル３０に採択された。だが、競争的資金とはいえ、それ自体が目的ではあるまい。

　これらの採択を契機に、本学は質的な大きな転換を求められている。７４４ある日本の大学のなかで、東京の一ローカル大学としての現状に満足するのか、世界の強豪校に伍して教育研究、国際化などの分野で高い評価を受け存在感を示せるのかの選択でもある。

　今夏、筆者の所属学会に韓国の大学から参加があり、同国の大学などへの進学率は昨年８５％を超えたが、大学数はここ数年で減少に転じたと報告された。２０１７年には日本同様、募集定員が志願者を上回る。日韓とも大学間競争は激化の一途だ。

　知の奔流は上流を志向する。２０世紀、その源流はドイツやアメリカの大学であり、世界中から優秀な頭脳が結集した。ある大学人はいう「私学とは『志学』であり、その志の実現に向け、あらゆる英知を集め、努力し、不断の改革で邁進せねばならない。志を語らない私学は、その存在を失う」と。



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