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明治大学広報
第613号(2009年11月1日発行)
論壇
「情報コミュニケージョン学部の今」
情報コミュニケーション学部長 細野 はるみ
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 情報コミュニケーション学部は今、もはや新学部ではないが、未だに建設途上にある。2013年には開設10周年となり、将来を見据えて基礎固めと充実をはかるときである。

 幸い、発足当初はなかなか理解されなかったカタカナ学部名への受験生の認知度も上がり、最近は一般入試の倍率も上昇し、また卒業生の就職状況も不況の中で健闘している。ただ、こうした新たな取り組みを謳う学部が、ともすれば新奇さのみに終わり、時が経つうちに魅力を欠いたものにならないよう、30周年、50周年を迎えたときに、ますます時代の要請に応えられるものにしていかなければならない。

 高度情報化社会という新たな時代に対処する方法論を提起した「情報コミュニケーション学」の検証と充実、国際化への取り組み、来春開設されるジェンダーセンターなど、本学部の課題は山積している。今年度は特に、韓国の全北大学校人文大学との学部間協定締結を始め、アメリカ・メンフィス大学、フランス・パリ第13大学といったコミュニケーション分野に秀でた大学と協力協定の実現を目差し、努力中である。また、ジェンダーセンター開設に向けた連続シンポジウムも実施中である。小規模な学部ながらも、本学部の独自性を表明できるような事業を少しずつ積み上げていきたい。

 大学の現理事会の教学を支える姿勢のもと、教学側は積極的な活動への支援を受けやすくなった。研究拠点として、国際化展開拠点としての方向性が明確となり、本学部にとってもそれが追い風とり、忙しいながらも取り組みへの期待と意欲が高まっている。本学部の提唱する「情報コミュニケーション学」のさらなる検証は今後も積み重ねていかねばならず、いずれは学部・大学院を通しての一貫したカリキュラム体系の再検討もせねばなるまい。そうして、それらの構想の中には、どのキャンパスでどのように展開することが最も望ましいかということも含まれてくるはずである。それはいずれの学部でも同じであろう。

 ころが、颯爽と展開するはずであった中野地区を加えた全地区のキャンパス再編の動きが、ここにきて鈍ってきているように思われる。そればかりでなく、例えば連合教授会を通過したスポーツ系新学部案など、教授会に諮られた種々の案件が動いていない。いずれも一部局で対処できるものではなく、全学部での意見調整と合意がなければ進めることができず、それだけに教授会での審議の過程は重い。教学と法人の不毛な対立は過去のものとして、せっかくの気運を推進できるような展開が切に望まれる。



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