本書はケミカルエンジニアおよびケミカルエンジニアを目指す学生諸氏が物理化学を自習あるいは復習する際に利用する参考書として執筆されている。

　その内容は、第一部は気体・液体・固体について「もの」の構造と性質を、第二部で「ものの状態変化」に関連してエネルギー変化を述べており、化学熱力学と相平衡・化学平衡に言及している。第三部では「化学反応とその速さ」を、第四部では「界面の物理化学」を扱ったものである。

　このように、本書はケミカルエンジニアのために物理化学の全ての分野をカバーしている。これにより、従来は数冊の本を利用して勉強していた物理化学全般の内容を、この本一冊で「反応速度論」「統計熱力学」「界面物理化学」の分野も勉強出来る事は大きな特徴であろう。

　著者は、明治大学で物理化学と化学工学のほぼ全ての分野の科目を担当された。この本は、授業の講義ノートに問題などを加筆して完成したもので、長年の教育の経験が凝縮されている。それゆえ、教科書としても利用できる。

　古谷英二・理工学部教授（著者は明大名誉教授）



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