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明治大学広報
第614号(2009年12月1日発行)
論壇
戦略的な国際化を目指して
政治経済学部長 大六野 耕作
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 毎年、5月の連休が明けるころから、リバティタワーはにわかに国際色を深めることになる。一般留学生や協定校留学生に加えて、アメリカ・ノースイースタン大学(全米80位)からの「短期集中留学生」が、政治経済学部での専門講義を英語で受講するため、4週間にわたって来日するからである。2010年度からは、これに南カリフォルニア大学(全米30位)と韓国・延世大学からの「短期集中留学生」も加わることになる。

 政治経済学部では、07年に学部内に「国際交流委員会」(飯田年穂委員長)を設置し、「実質的な国際化」をスローガンに、学生交流、教員交流、研究交流を積極的に推進してきた。「国際化は実質的なものでなければ意味がない」というのが、本学部の動かぬ信念である。世界的に有名な大学との協定がいくつあっても、実際に学生の交流があり、交流を通じて双方の学生が「人生を変えるような体験」ができないようでは、国際化を進める意味はない。

 現代における国際化の意義は、(1)狭い既製観念を打ち破り、(2)世界の異質な文化に対する理解を深め、(3)幅広い視野から世界的に活躍できるだけの知識と言語能力を持つことだろう。いま、大学に求められているのは、こうしたプラスの連鎖を引き起こす教育と、教育条件の整備ではなかろうか。

 すで20年近くになろうか。英語コミュニケーション能力に重点を置いたプログラム(現名称ACE)を導入したのは。このお陰もあって、政治経済学部入学者のTOEICスコアは、毎年上昇している。しかも、学年を重ねるごとに上昇している。これに、前述の「短期集中留学」が組み合わされたことで、多くの学生が海外の同年代の学生と濃密な交流を持つようになった。そして、この交流の中から英語(外国語)を修得する重要性と、あるいはそれ以上に、さまざまな知識を体系的に獲得することの重要性を、肌身で感じるようになってきている。こうした小さな意識の変化が、留学者数(協定校への留学)の増大につながっている。

 また、ACEから「短期集中留学」を経て、「協定校留学」を経験した学生の中には、さらに大学院で研究を深め、国際的な舞台で活躍できる日を夢見る学生も出始めた。政治経済学研究科では、こうした学生に対応するため、海外の大学とのダブル・ディグリー実施の可能性を検討し始めている。

 なにごとも、戦略的でなければならない。明大が文部科学省の09年度「国際化拠点整備事業」(グローバル30)に採択されたことは、心から喜びたい。しかし、これからは、どのような戦略のもとに国際化を進めるかを明確にすることが、成功の鍵となろう。十分な情報公開のもとで、国際化の実態に関する突っ込んだ議論が行われることを期待したい。



政治経済学部・ノースイースタン大学共同プログラム

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