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明治大学広報
第615号(2010年1月1日発行)
本棚
「法社会学の新世代」
村山 眞維 ほか編(有斐閣、3000円)
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 法社会学とは、経験科学の方法によって法現象を研究する学問である。本書では先ず、村山眞維氏による第1章において、法現象の経験科学とは何であるかが、法現象の多様性と社会調査の主な方法に焦点を合わせて詳細かつ明快に論述され、続く12章で、法曹養成改革と不信に関する審議会の参与観察、弁護士相談に関するインターネット調査の可能性、弁護士へのアクセス、裁判員制度、刑事弁護の担い手、訴訟利用行動、日本人の契約意識、民事紛争における交渉など、きわめて現代的な問題が気鋭の研究者たちによって、それぞれ優れて自覚的な経験科学の方法によって検討されている。

 経験科学の基本は、経験に基づく観点から事実を観察し、その事実の海からひらめいた仮説を経験的データに基づいて検証することであり、このような作業の積み重ねによって普遍的な経験法則が発見されるのである。本書は、この意味での経験科学の方法を十分に駆使した具体的事例研究の書として見事に仕上がっている。

 加藤哲実・法学部教授(編者は法学部教授)



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