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明治大学広報
第616号(2010年2月1日発行)
論壇
理工学部の充実と課題
理工学部長 三木 一郎
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 わが国では中高生の理工系離れが進み、全国の大学や関連の学会では危機感を募らせ、さまざまな対策を講じている。子どもや中高生を対象にした科学教室開催などはその一例である。

 本学でもこの種の行事をすでに開催している。科学技術立国を目指している日本にとって、次世代を担う人たちの理工系離れは大きな問題であるからだ。

 当然のことながら、本学理工学部にもこの影響は出ている。しかし、教職員の努力により、また歴史と伝統ある東京六大学のひとつである総合大学としての力、昨今の明治大学の人気などにより、地方の国立大学法人や私立理工系大学などに比較すればその影響は小さい。

 本学理工学部は、工学部設立以来60年、理工学部になってから20年が経過する。2004年竣工のA館は教育・研究に大きな役割を果たしており、次の校舎建設計画もほぼ順調に進んでいる。理工学部が長い年月を経て、一致してたゆまぬ努力を行ってきたことにより、教育・研究に成果を上げ、社会的にも認知されていることは今や明らかである。今後はこれまでの経験を踏まえ、新しい理工学部独自のビジョン策定や短期間に発生する多人数の後継者人事をはじめとした諸課題の解決に積極的に取り組み、なお一層の充実を目指すときであると考える。

 大きな課題の中で、早急に進めなければならないものとして国際連携の強化がある。教員や学生の教育・研究活動も国際的になり、海外との往来も以前に比較して非常に頻繁になっている。理工学部では、これまで主に研究室やグループ単位で行ってきた海外との共同教育・研究活動を、理工学部に新しく発足した国際連携推進委員会が中心となって調整し、学部全体に広げ、組織的な国際連携を促進・強化する計画である。

 また、理工学部学生に対する海外での英語研修の機会などについても検討を進める。さらに、大学院博士後期課程への留学生を増やす考えである。実際にはすでに英語のみで学位を取得した留学生がおり、また現在も数人が在籍している。博士後期課程は理工学部においては国際連携の最前線になると思われ、本学の国際連携事業にも直ちに貢献できる分野であるとともに、本学部発展のためにぜひとも力を注ぐ必要がある。

 以上のことを実現し、さらに教育・研究のレベルをなお一層向上するなど、教員が本来の役割を発揮するためには教職員の協力が必要であり、適切な教員サポートが欠かせない。現在のサポートは、例えば公的資金の申請に対するサポートは熱心だが、採択後のサポートに対して教員に不満が生じている場合がある。さまざまな負担が強大になっている現状で、教員サポートの再検討と強化も、非常に重要な課題のひとつである。



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