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明治大学広報
第617号(2010年3月1日発行)
論壇
社会連携活動の再構築を目指して
─商学部の中間報告─
商学部長 横井 勝彦
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 多くの大学で社会連携の取り組みが本格化したのは、いつごろからであろうか。文科省が各種GPプログラムを全国に募集しはじめたころからか。とすれば、この取り組みはまだ10年に満たない。しかし、2007年までの特色GPと現代GPに限ってみても、採択数は総計700件近くに達しているのであるから、社会連携の取り組みは、それなりに普及したと見るべきか。その点の評価・分析はいまだ不十分である。

 現在、商学部では教育改革プログラム「Project105 商学のフロンティアを拓く」を掲げ、4つの教育改革に取り組んでいる。具体的には、(1)先端的な学術研究・地域活性化研究の推進、 (2)学生主導の社会連携活動の展開、(3)国際的なカリキュラムの構築、(4)多面的な初年次導入プログラムの実施、である。

 このうち(2)の「社会連携活動の展開」は、GPに採択された商学部の2つの取り組み「広域連携支援プログラム」(現代GP)と「地域・産学連携による自主・自立型実践教育」(教育GP)を基礎としているが、過去6年におよぶそれらの取り組みの総括も、まだこれからである。

 三浦市との連携による神田での空き店舗事業、長野県飯田市や群馬県嬬恋村での地域振興プロジェクト、さらにはホンダや洋菓子のヒロタへの学生提言などで、商学部が連携した地方自治体と企業は20を超える。今年度から社会連携活動を単位化するために「特別テーマ実践科目」が開設されて(来年度は15科目開講)、成果報告会と外部専門家支援委員会による講評会も定着してきており、そのなかで、今後の課題も明確になりつつある。

 いささか高望みして問題提起すれば、第一に、前記(1)の「地域活性化研究の推進」と関連するが、GPを起点とした社会連携活動も、今後は学部内の共同研究(大型研究)のテーマとして、その実施体制を整備し、研究レベルでの情報発信に努力するべきである。

 第二に、前記(3)の「学部の国際化」とも関連するが、今後は留学生にも社会連携活動への積極的な参加を呼びかけ、海外協定校との連携も視野に入れて、世界規模での情報発信を展開し、国際地域連携の実現を目指すべきである。

 第三に、以上の二点、つまり「社会連携」の「研究テーマ化」と「国際化」は、日本の大学の社会連携をリードしていく上での重要課題であり、その推進のためには、全学的なバックアップ体制の整備が望まれる。

 第四に、「社会が見える」そして「社会から見える」学生の育成という目標は、ある程度達成されてきた。今後は、社会連携活動におけるフィールドワークと、論理的思考法や統計的分析手法の教育との相互関連について、十分な検討を加え、既述のような多面的でより高次の社会連携活動の構築を目指したい。



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