文部科学省は5月25日、2010年度の科学研究費補助金(科研費)のうち4月1日交付内定時点(中間時点)の配分状況を発表した。明治大学は、新規採択率が36.3%の過去最高となり、ランキングでは東京大学と同率の7位と大きく躍進した(関連記事=本紙第620号)。 本年度の科研費は、応募のあった約12万5000件の研究課題のうち、厳正なピア・レビュー(専門分野の近い複数の研究者による審査)を経て、約5万7000件が採択され、総額約1353億円(直接経費)の交付が内定した。このうち、新規採択分は約8万8000件(昨年度比4%減)の応募に対し、約2万件(同7.1%減)で、総額約474億円(直接経費)となった。採択率は前年度より0.7%減の22.4%と厳しくなる中、明大の採択率の伸びは、近年来明大が注力する研究力推進の取り組み成果が数値として現れたといえる。 研究機関別採択率上位10機関 (2010年度 新規採択分) 順位 機関名 採択率 1 一橋大学 63.0% 2 東京外国語大学 46.2% 3 学習院大学 40.0% 4 国立遺伝学研究所 38.5% 5 東京都健康長寿医療センター 37.1% 6 京都大学 37.0% 7 明治大学 36.3% 7 東京大学 36.3% 9 立教大学 36.2% 10 国立国際医療研究センター 36.0% 10 上越教育大学 36.0% 科研費 主な研究種目と2010年度明大の申請数・採択数・採択率 研究種目 対象 応募総額、 研究期間 明大の採択数 明大の申請数 採択率 特別推進研究 国際的に高い評価を得ている研究であって、格段に優れた研究成果をもたらす可能性のある研究 1課題5億円程度、 3〜5年間 0 1 0.0% 特定領域研究 日本の学術研究の向上・評価につながり地球規模での取り組みを要し社会的要請の特に強い研究領域 単年度あたり1領域2000万円〜6億円程度、 3〜6年間 0 1 0.0% 新学術領域研究 (研究課題提案型) 確実な研究成果が見込めるとは限らないものの、学術研究のブレークスルーをもたらす可能性のある、革新的・挑戦的な研究 単年度あたり1000万円程度 3年間 1 6 16.7% 基盤研究(S) 一人または比較的少人数の研究者で組織する独創的・先駆的な研究 5000万円以上2億円程度 原則として5年間 0 1 0.0% 基盤研究(A) 一人または複数の研究者で組織する独創的・先駆的な研究 2000万円以上5000万円以下 3〜5年間 1 5 20.0% 基盤研究(B) 500万円以上2000万円以下 3〜5年間 11 40 27.5% 基盤研究(C) 500万円以下、3〜5年間 48 113 42.5% 若手研究(A) 39歳以下の研究者が一人で行う研究 500万円以上3000万円以下 2〜4年間 2 5 40.0% 若手研究(B) 500万円以下、 2〜4年間 20 48 41.7% 挑戦的萌芽研究 一人または複数の研究者で組織する研究計画であって、挑戦的で高い目標設定を掲げた芽生え期の研究 500万円以下、 1〜3年間 2 21 9.5% 合計 85 241 35.3% 研究・知財戦略機構 文部科学省「平成22年度科学研究費補助金の配分について」 前のページに戻る