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明治大学広報
第622号(2010年8月1日発行)
《就任所感》
平和教育の発信拠点

戦争のない世界へ
平和教育登戸研究所資料館長 山田 朗
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 2010年3月29日、生田キャンパスに明治大学平和教育登戸研究所資料館(略称=登戸研究所資料館)が開館しました。この資料館は、旧日本陸軍の登戸研究所時代の建物(36号棟)を保存・活用して設置されたものです。

 登戸研究所は、陸軍の秘密戦兵器を研究・開発していた特殊な施設で、電波兵器・風船爆弾・対動植物細菌兵器・暗殺用毒薬・スパイ用品・偽札などを製造していました。秘密戦(防諜・諜報・謀略・宣伝)といった戦争の裏面であり、なおかつ、人道上・国際法上きわめて問題がある研究をしていた施設を、大学がどのように保存・活用していけばよいのか、学内では戸沢充則学長(1996年就任)の時代から長年にわたって検討がおこなわれてきました。

 そして、紆余曲折を経て、現在の納谷廣美学長になって、この5年間で登戸研究所施設の保存・活用問題は急速に進展し、資料館の開館へと至りました。資料館は、展示室5部屋を中心とした小さなものですが、なるべく戦争遺跡としての建物そのものを生かし、従来、一般に知られることがなかった秘密戦研究所の実態をビジュアルな展示によって再現しています。

 4月7日の一般公開以来、内外の多くの雑誌・新聞・通信社・テレビなどから取材をうけ、6月末までに4000人を越える来館者に見学していただきました。その中には、登戸研究所に勤務されていた方から近隣の中学校の生徒の団体まで、多様な方々が見学に来てくださっています。

 本資料館はこれからも、明治大学の平和教育の発信拠点として、戦争の真実を学生と一般来館者に伝え、平和構築に貢献できる場所でありたいと願っています。私も館長として、国内に類例のないユニークなこの資料館を充実発展させるために微力を尽くしていきたいと思っています。

(文学部教授)



明治大学平和教育登戸研究所資料館ホームページ

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