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明治大学広報
第623号(2010年9月1日発行)
《校友会特集》
「世界に発信する大学」を目指して
学長 納谷 廣美
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 今、教育の場には、社会に有為な人材を輩出することが求められています。若者がその社会の中核にポジションを置き、世界を視野に活躍するために、われわれ教職員はどのような教育を展開すべきかを考え、全力を挙げて支援していくことが重要な命題であり、学長としての責任の重さを感じております。

 本学は、明治維新を経た頃、「国造り」において高い見識をもって世の中を見ることができる人材の育成を目指し、創立されました。この理念を原点に、本学は歴史を積み重ねてまいりましたが、今後も継承していかなければなりません。明治維新の時代の日本人らしさ、戦後の日本人の勤勉さ、礼儀正しさ。そのような『誇り』を、今一度若者に伝えていきたい。このことは、本学の創立者達が、われわれ後輩に発したメッセージであると受け止めております。

 1989年、ベルリンの壁が崩壊し、米ソ対立の構造が消えゆく強い流れの中で、日本ではバブル経済が崩壊して難しい状況に置かれました。それは今もなお尾を引いており、先行きは不透明だと言われています。しかし、このような時代においてこそ、学生達が明治の強さ『何があっても前に出る』の精神のもと、大きな変化に対し先見性をもてる人材へと成長すれば、各々が活躍できる場を見つけられるものと思います。明治魂を知るとともに、日本を知り、そして地元を知って、それらの素晴らしさを世界に発信する。本学はそのような視点も意識し、グローバル30の採択をはじめ、チャンスを逃さず国際化を推進しています。今年度、海外の協定校が125校を超え、留学生も1000人を超えるまでに増加したのも、本学の改革に対する直向さが評価されたものと考えます。多文化と触れあう環境で、日本の学生達にもしっかりと自らの役割を見いだしてほしいと願っております。

 校友の皆様には、日本はもとより世界で活躍されている方がたくさんおられます。「世界を知る」視点から、大学に声を寄せていただき、留学生の就職先斡旋など、さらなるご支援をいただきたいと存じます。また、スポーツ面でも各部の活躍が顕著であり、世界レベルで現役明大生が活躍しています。一層の強化を図るべく、学生達に声援を送り、勇気を与えてくださいますよう心よりお願い申し上げます。




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