第624号(2010年10月1日発行)
「大学院文学研究科 文芸メディア専攻の開設に寄せて」
文学研究科文芸メディア専攻主任予定者 佐藤 義雄 |
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長い伝統を誇った文学部文芸学専攻は、文芸メディア専攻として再出発して以来、現代青年層の関心を惹きつけ、多数の志願者に恵まれ順調に発展してきました。その基礎の上に新たに大学院文学研究科文芸メディア専攻が構想され、必要な手続きを経て2010年7月文部科学省からの正式認可を受け、2011年4月から出発することとなりました。
「幅広い文芸研究を通じての高度な教養を身につけた表現主体」の育成をうたってきたかつての文芸学専攻の伝統を現代に生かしながら、現代のメディア・メディア文化状況に対応する新たな文芸研究の地平を切り開き、作家と作品に収斂する既存の文学研究とは異なった未踏の研究領域の構築を本専攻はめざしています。教授陣も、文芸学専攻の伝統を受け継ぐ日本文芸の研究者のみならず、メディア文化論の研究者、出版印刷文化の研究者、文芸批評家、外国文芸研究・翻訳研究の専門家を新たに専任教員として迎え、各領域相互の連携によって、新たな学的状況の展開を図ります。
新専攻修了者の進路としては、文化論やメディア理論を踏まえた新しい知的枠組みの中での文芸研究者、メディアの本質を理解したジャーナリストやエディターなどの高度職業人、コピーライターやノンフィクションライターなど様々な表現領域の書き手、メディアや文化状況についての新しく幅広い教養を身につけた国語教員などを想定しています。 「伝統を現代に生かす」大学院文学研究科文芸メディア専攻の試みにご注目ください。
(文学部教授)
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