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明治大学広報
第625号(2010年11月1日発行)
本棚
「世界俳句2010 第6号」
夏石番矢(乾 昌幸)・世界俳句協会 編
(七月堂、1600円)
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  俳句が海外でも共有されるようになって久しいが、英語やフランス語で詠まれる句や、その和訳に接して、違和感を感じ、戸惑う人も少なくないのではないだろうか。

 35カ国からの「世界俳句」に加え、5人の俳論が収められた本書は、この戸惑いに対するひとつの返答となってくれるだろう。

 「詩のエッセンスとしての俳句を書くこと」が自分の主な情熱だと編者は言う。自分の俳句は自分で訳し、それが自分の仕事の隠れた性質を発見することになった、とも。

  多様な国々から寄せられた「ハイク」は、日本語で紹介されたうえ、それぞれの国の原語と、英訳と並んで示されている。

  たとえ理解できない、読むことさえできない言語であるとしても、詠み人が思い描いたままの句を目の当たりにすることには大きな意味があるだろう。

  俳句は呼吸の記録、心の動きの外形だと、別の論者は言う。季語や五七五の縛りから解放され、日常に潜む瞬間を切り取ることを彼らが目指すのだと知れば、新しい地平が見えてくるかもしれない。


渡辺響子・法学部准教授(編者は法学部教授)



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