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明治大学広報
第629号(2011年3月1日発行)
第2回連合父母会文学賞
文芸賞大賞は柏崎さん(経営2)
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 第2回明治大学連合父母会文学賞の表彰式が2月21日、駿河台キャンパス紫紺館で開かれた。倉橋由美子文芸賞(小説・ノンフィクション)大賞に、柏崎瑠唯さん(経営学部2年)の「白い部屋」が選ばれた。阿久悠作詞賞(歌詞)大賞は、昨年に引き続き今回も該当作がなかった。大賞作は芸術評論誌『ユリイカ』(青土社)3月号に掲載される。

 同文学賞は、学生の意欲的な才能を発掘し、明治大学から優れた人材を輩出すべく、故倉橋由美子氏(作家、1960年文卒)、故阿久悠氏(作詞家、1959年文卒)の名を冠して設けられたもの。連合父母会と、文学部が明治大学在学生を対象に作品を募集。文芸賞19編、作詞賞は21人から43編の応募が寄せられた。文芸賞の選考は、昨年の選者・山宏国際日本学部教授に加え、詩人の管啓次郎理工学部教授と翻訳家の陣野俊史文学部兼任講師を加えた3人で行った。作詞賞の選者は昨年同様、校友で作詞家の阿木耀子氏(2008年特別卒業認定)が務めた。

 文芸賞大賞作「白い部屋」は、主人公の家系と田舎の大屋敷の構造に潜む謎を追求する物語が、郷土色豊かに描かれた作品。受賞について柏崎さんは、「その時感じたこと、考えたことを何かに昇華させる形で残しておきたくて小説を書き始めた。受賞作は、大学進学を機に全国各地から集った友人との交流を通して言葉や風習など地方ごとの違いに驚いたことがきっかけで生まれた」と話す。

 大賞作について、山教授は「家系の問題を扱った大変重い作品。家の歴史をたどる『時間的な遡及』と、田舎の巨大な屋敷の玄関から一番奥の部屋までに至る『空間的な移行』のパラレルが大変巧く書かれている」と評価。今回の選考について「佳作では『構造的にしっかり作り上げた作品』(楡くんの腕が伸びちゃった)と『構造的なものは特にないがとにかく文章が素晴らしい作品』(犬猫)、好対照の2作品を選ぶことができた。大賞を含めバラエティに富む3作品を選ぶことができた」と講評した。

 作詞賞を選考した阿木氏は、「詩として素晴らしいもの、ハっとさせられる言葉使いもたくさんあった。しかし、作詞はあくまで『メロディがつくこと』を想定したもの。字数を合せる等、詞としての要件を満たしているかをシビアに選考した。阿久悠先生は最高のプロ。そこを伝えたくて今回も大賞を見送った」と説明したうえで、「詞は曲がついて初めて形になる。いわば布地のようなもの。仕立てる人、アレンジする人、着てくれる人(歌ってくれる人)をぜひ見つけて」と今後に期待を込めた。

第2回明治大学連合父母会文学賞 受賞作品
倉橋由美子
文芸賞
大賞 白い部屋 柏崎 瑠唯 経営2
佳作 犬猫 西村 薫 文4
楡くんの腕がのびちゃった 渡邉 善貴 法3
阿久悠
作詞賞
大賞 該当作なし
佳作 あなたの字 岡庭 亜紀子 文4
ふとんをギュッとする 熊谷 和也 文1
プラネットホーム 田丸 麻起子 情コミ3



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