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考古学専攻で過ごす4年間-授業紹介-

考古学の土台を築く——考古学概論Ⅰ・Ⅱ(1・2年生)

 考古学という学問の歴史や資料分析の方法,今日的な研究の成果と課題などを広く理解して,今後の自分の研究の基礎作りをするための科目です。遺跡やそこに残された遺物,さまざまな痕跡を用いる研究手法は歴史科学の中でも独自の手法や目的をもっています。漠然とした興味から学問としての考古学の世界への入り口としてこの科目は位置づけられています。2コマに分かれて考古学の基礎を広く学べるように配慮しています。

「大学での学び」を学ぶ——基礎演習(1年生)

 考古学専攻生のみで構成されるゼミ科目です。20人程度のクラスで4つ程度の班に分かれて,共通のテーマに従ってゼミ発表をおこないます。講義科目とは異なり,自分で調べる力・探求心を養う科目です。また,少人数の班に分かれての発表は,課題を共有した友人と共同で勉強する楽しさを経験することができるでしょう。

出土品を実際に読み解き,歴史を考える——考古学研究法Ⅰ・Ⅱ(2年生)

 考古学の最大の醍醐味は,遺跡の発掘と出土品の分析です。この授業では,実際の出土品を直接手に取り詳細に観察し,それが実際の研究にどのように役立てられているかを直接学びます。
 明治大学には旧石器時代から古代までのさまざまな出土品が収蔵されています。3万年前の石器から古代の土器まで,実物を手にした感動はきっと忘れることはできないでしょう。授業の構成として「Ⅰ」は研究の実際を学ぶための論文読解,「Ⅱ」は遺物の観察と実測を主としており,理論と実践が学べます。

歴史の現場を歩く・調べる・掘る——考古学実習(1年~3年)

 考古学実習は実際に現地を訪れ,実地に遺跡を観察したり,または発掘調査や出土品を分析したりして,より専門的な知識や技術を身につけます。教室の授業だけでは体験できない考古学の世界がそこにあります。
 1年生は全員で遺跡や博物館を見学し知見を深めます。事前の授業で学んだことを現地で確認し興味を深めます。さらに学芸員の仕事を実地に見ることもできます。
 2年生はグループに分かれて全国各地の遺跡や博物館を見学します。小規模なグループなので担当の教員や指導補助の大学院生などから直接的な指導も受けることもできます。
 3年生は遺跡の発掘や出土品の分析を行います。教室で学んだことを単なる知識に留めることなく,実際の現場で試す絶好の機会です。数千年前,数万年前の地中に歴史を問いかける手法を磨きましょう。たとえ1片の土器であっても,自分で発掘した感動は決して忘れません。

自分自身の世界を切り拓く——演習Ⅰ(3年生)

 2年生までの基礎的な知識をもとにして,より専門性を深め,かつ自分の研究テーマを見つけるためのゼミ科目です。この科目では研究テーマに従って論文を読解し,研究の目的・方法・成果を理解します。前半は班別のゼミ発表の構成をとり,後半は卒業論文を意識した個人発表になります。卒業論文作成の導入部分にあたる科目です。

大学生活の集大成を目指す——卒業論文Ⅰ・Ⅱ(4年生)

 大学での勉強の集大成として位置づけられている科目に卒業論文があります。それまでの科目は講義や実技による知識や技術の蓄積にありましたが,卒業論文は自分の研究を他人に読んで理解してもらうことが目的となります。すなわち,論文を読む立場から書く立場へと変わるのです。
 自分で見つけた研究テーマを自分自身の力で論文にまとめるという経験は,その先の社会に出てもきっと役立つに違いありません。