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2015年度 フランス文学専攻 イベント

2015年度 フランス文学専攻 プレゼンテーション大会







2015年12月19日(土)フランス文学専攻で初めての試みである「フランス文学プレゼンテーション大会」が催されました。今回のプレゼンテーション大会は「文化や言語に興味はあっても、文学となると一人では取り組みにくい」,「もっと学年を超えた交流が専攻内であってもいいのではないか」といった声から,「フランス文学専攻のために何かできないか」という思いでフランス文学専攻に所属する学生が主体となり開催しました。

大会のルールは制限時間15分間でフランス語圏の文学もしくはその著者についての発表を行うというシンプルなものです。しかしながら,準備期間約1ヵ月,発表形式は『自由』,班の編成も専攻内の交流を活性化させるためにランダムに決定され,『型にとらわれることなく、自分らしく表現する』ということが求められるなど,フランス文学についての知識のみならず、様々な能力が求められる大会でした。また,大会当日は発表する学生のみならず,自身が今後どういった学習・研究をするのかを考えるために,多くのフランス文学専攻の学生が参加し,真剣な眼差しで各班のプレゼンテーションに見入っていました。

2015年度の最優秀発表は,フランス人作家ユルスナール(Marguerite Yourcenar)による『源氏物語』の「雲隠」の章のアフターストーリーである「源氏の君の最後の恋 『東方綺譚』」(Le dernier amour du prince Genghi)を扱い,多くの本文引用と細かい考察が評価された3班となりました。


2015年度 発表内容

  発表者 テーマ
 1班 川野 公平(3年)
草木 里捺(3年)
池田 七菜(1年)
 『ペスト』(La Peste) 
著:カミュ(Albert Camus)
 2班
田中 健太郎(3年)
東 茉美(3年)
加々見 真帆(1年)
『方法序説』(Discours de la méthode)
著:デカルト(René Descartes)
 3班 本田 翔子(2年) 
左合 俊寛(3年)
須能 夏紀(3年)
 源氏の君の最後の恋 『東方綺譚』より
(Le dernier amour du prince Genghi)
著:ユルスナール(Marguerite Yourcenar)
 4班 清水 葉子(3年)
田口 大智(3年)
由水 雅也(3年)
 『潜水服は蝶の夢を見る』(Le Scaphandre et le Papillon)
著:ジャン=ドミニック・ボービー(Jean-Dominique Bauby)
 5班 鈴木 莉夏(3年)  フランス移民について『服従』(Soumission
著:ミシェルウェルベック(Michel Houellebecq)

参加者の声

学年の違う人と触れ合うことが今までなかったので、プレゼン大会は貴重な体験となりました。文学には少し興味はありましたが、自分で時間を作って読むとまではしなかったので、いい機会でした。最初読んだ時には見えてこなかったことが、何回か読んでいくうちに見えてきたりして楽しいなと思いました。同じ文学に対する他の人の意見も聞いてさらに考えが深まっていく感じがしました。またいつかプレゼン大会に参加するとしたら、今度は自分が引っ張っていけたらいいなと思いました。
(フランス文学専攻1年 池田七菜)

今回のプレゼン大会で、初めて出会う先輩方と一緒に作品を読解、分析できたことは、私にとって価値ある経験になりました。選んだ作品は短編集の中の一作品であり、それ自体長いものではありませんが、随所に考えさせられる要素があり、作品の奥深さを知りました。一人で読んでいたら気づかず、読み飛ばしてしまう箇所がいくつもありましたが、複数の人と読み合い、活発に意見を交わすことでその作品の新たな発見に繋がりましたし、読んだことがない人によさを伝える方法を学ぶ機会にもなりました。また、プレゼン当日は他の人たちがどのように作品を読み、考えたのか知ることができたので、楽しかったですし、いい刺激を得られました。
(フランス文学専攻2年 本田翔子)

ここの所、本をあまり読まなくなっていたのでプレゼン大会が本を読むきっかけになりました。発表もグループでの発表だったから、読み終わっての感想や意見も"こんな見方もあったのか"。新しい発見も多くて。意見も感覚での感想では伝わらないから、何度も読み返して根拠となる文を探して、話あって意見をすり合わせて。誰かに伝える為の読書をした事がなかったので大変でもあり楽しくもあり。他のグループの発表も、わかりやすく伝えようとする意図が伝わってきたり、レジュメやパワーポイントもわかりやすくまとめられていたり、自分達ももっと出来たな、という想いと素直に凄いなと想う気持ちもありました。次回また参加する事が出来たら、よりより良い発表をしたいと思います。
(フランス文学専攻3年 川野公平)

私たち自身も発表と運営をする中で、運営の準備の合間を縫って発表の練習に取り組みました。そのため、短期間で準備しなければなりませんでした。時間が限られた中で、企画の内容を決め、それを実行するのは一筋縄ではいきません。しかし、私たちの突然の提案にも関わらず、先生方や学部の職員の方々もサポートしてくださりました。実りあるプレゼン大会になったのも、皆さんの協力のおかげだと痛感しています。今後もフランス文学専攻の学生として、主体性をもって様々なことに取り組みたいです。
(フランス文学専攻学生委員会 田中健太郎)