2018年度、心理社会学科に「哲学専攻」を新設

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Initium ut esset homo creatus est.

  

アウグスティヌスの言葉で、「始まりが為されんために人間は創られた」という意味です。ナチズムを分析したハンナ・アーレントの大著、『全体主義の起源』の末尾に引用されています(大久保和郎・大島かおり訳)。アーレントの文章は、「この始まりは一人一人の人間の誕生ということによって保障されている。始まりとは実は一人一人の人間なのだ」と続き、ここでこの大著が終わります。同時代の問題に果敢に取り組み、「誕生」という言葉に希望を託したアーレントを念頭に置いて、哲学専攻の誕生にあたり、この言葉を掲げます。ともに始まりを刻みましょう。



哲学専攻 カリキュラムの特長

① 現代の問題に取り組む
過去の蓄積を踏まえながら、現代に生きる自分が感じる個人的・社会的な問題を考えます。

② 実践的に取り組む
文献・資料を読むと同時に、現場に出かけたり、人に会って話を聴いたりする「実践」を大切にします。そのためアクティブ・ラーニングの手法をとります。

③ 多角的に取り組む
西洋哲学だけでなく、日本や中国の哲学も広く視野に入れて学びます。

主体的な学習
哲学専攻では、各学年に必ず演習形式の科目を配置し、教員と学生との双方向的なやりとりを通じて、主体的な学習を促します。

段階的にレベルを上げて、時代に対応した思考力と表現力を養います。


哲学専攻の代表的な授業

① 哲学プラクティス
自分たちでグループを作って問題を設定し、その問題を考えるにふさわしい現場に触れ、共同で討議しながら問題を探求する実践的スキルを養います。
模擬授業として行った「哲学プラクティス」の様子

② 哲学交流論
さまざまな交流によって互いに影響を与えてきた世界各地の思索を、具体的に紹介していきます。

授業にはアクティブ・ラーニングの手法を積極的に取り入れ、一人一人の学生に対してきめ細やかな指導を行います。

哲学専攻 Q&A

Q:なぜ、哲学専攻を新設するのですか?
A:成長至上主義の時代から、持続可能で多様な生き方を認め合う時代へと、世の中は変化してきています。また、生殖医療や情報管理技術の発達によって、人間の生や自由は根本から問いなおされています。こうした時代の要請に応え、自分と社会のあり方についてより深く理解する学問として、今、哲学が重要だからです。

Q:哲学とは、どんな学問ですか?
A:普段あたり前と思っている見方から距離をとり、ものごとの成り立ちの根拠を発見していく学問、と答えておきたいと思います。哲学を通して、漠然としていた見方がクリアーになり、世界を見る目がシャープで奥行きあるものに一新するでしょう。

Q:哲学と心理学・社会学はどんな関係にあるのですか?
A:心理学や社会学によってもたらされる知識は、人間のあり方を考えるうえできわめて重要です。哲学は、そうした知識を取り込みながら、そもそも人間とは、心とは、社会とは何かを問う学問です。哲学専攻は、臨床心理学専攻と現代社会学専攻と、一部共通のカリキュラムを組み、協力し合いながら、人間の探求を進めていきます。

Q:将来どんな進路が考えられますか?
A:卒業生の多くは、一般企業に就職すると思われます。4年間で培われた思考力は、どんな業種・職務であろうと、存分に役立つはずです。また、哲学専攻では、論理的な表現能力を重視しますから、報道界や出版界での活躍も期待されます。さらに、物事を多角的に考える、行政、教育現場での仕事にも向いています。

哲学専攻 教員からのメッセージ





垣内 景子 教授

 考え方で世界は変わります。そして、哲学とは、考えることによって世界を新しく創り出してゆくことなのです。哲学専攻では、古今東西の哲学者たちがどのように考えどのような世界観を創ってきたのかを学び、未来に向けてどのような新しい世界が可能かということを考えます。そして、考えるだけでなく、それを言葉にし語り合います。考える力を鍛え、語り合える力を育むことが、この専攻の目指すところです。考える力と語り合える力こそ、これからの時代を生きる上で最も必要なものなのです。
 哲学っておもしろそう、でも難しいのかな?興味はあるけど、哲学を学んで就職できるのかな?等々、ちょっとためらっているみなさん、まずは哲学専攻の模擬授業とガイダンスを聴きに来て下さい。きっと、大学で学ぶということの新たな意味が見つかり、受験勉強にも意欲が湧くことでしょう。




池田 喬 准教授

 1.大学に入って何を学べば良いのか、全然わからないという人には、哲学が向いているかもしれません。2. そもそも何のために勉強するのか、本当に幸せな人生とはどういうものか、この社会はちゃんと機能しているのか、こういったことを真剣に考えたことがある人には、哲学が向いています。3. こういった問いは、抽象的で無益な問いなのではなく、教育、福祉、政治などにかかわる人たちが真剣に議論している、アクチュアルで実践的な問いだと言われてピンと来る人には、哲学を学び、哲学の素質を開花させ、社会の変化に参加することをおススメします。4. これを読んで哲学に興味をもった人のために、哲学的な問いの例をもう一つ挙げておきましょう。時計の時間は規則正しく進んでいくけれど、退屈な時には時間が長く、夢中な時には時間が短く感じられます。時間とは何か。面白そうじゃないですか?




志野 好伸 准教授

 この世の中は、どこか間違っているんじゃないか、哲学に惹かれたのは、そんな漠とした思いからでした。目的のために手段を選ばないような社会の動きを、哲学が根本から批判しているように感じたのです。従来の西洋近代哲学に対する批判が、当の西洋の中から生み出されていることもおぼろげに分かっていましたが、高校生の私は、これからの時代は東洋だ、という思い込みをいだき、大学に進学して中国哲学を専攻するに至りました。現在は、中国哲学を軸に、日中における西洋哲学の受容の仕方、日本の近代哲学のあり方などを研究しています。哲学に魅入られるきっかけは、人それぞれでしょう。それぞれの抱える問いを共有し合う場、そして問いを丁寧に洗練させていくためのアプローチを提供する場として哲学専攻を開設します。みなさんが第一期生です。新しい道をともに切り拓いていきましょう。




合田 正人 教授

 「哲学」という日本語が生まれてから約150年が経ちました。誰がこの語を作ったのか、どうやってこの語が定着したのか、ご存知ですか? 高校までは「哲学」という科目はありません。「道徳」や「倫理」はあります。なぜ「哲学」はないのでしょうか。大学に入るまで「哲学」はお預けです。でも、人は知らないうちに哲学しているのです。幼い日々から皆さんの中で無数の驚きと疑問が泡沫のように浮かんでは消えていったのではないでしょうか。なぜ自分はここにいるのか。宇宙はどうやってできたのか。どうして人はこんなことをするのか。下らないこと考えないで勉強しなさいと言われたかもしれません。でも、今世界は数多の難問を抱えて途方に暮れ、かつての小さな哲学者たちが強靭でしなやかな知性と感性をもって登場することを待望しています。そのための新たな鍛錬の場所がここに誕生しました!

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