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【商学部】ラテンアメリカ異文化交流プログラム2014年度活動報告「日本とラテンアメリカの学生の相互訪問」

商学部では「ラテンアメリカ異文化交流プログラム」として、ビデオカンファレンスとフィールドトリップを通じた学生交流を行い、将来日本とラテンアメリカの国際的なネットワーク構築に貢献する人材を育成するための活動を行っています。2014年度は、春学期は月1回ペースでラテンアメリカの協定校との学生同士の英語でのビデオカンファレンスを中心に活動しました(詳細は下記URLにてご覧いただけます)。ここでは8月から11月にかけてラテンアメリカと日本への学生の相互訪問の概要をご紹介いたします。

【ビデオカンファレンス掲載HPのURLはこちら】
http://www.meiji.ac.jp/shogaku/topics/2014/6t5h7p00000hfmmh.html
http://www.meiji.ac.jp/shogaku/topics/2014/6t5h7p00000hjz1a.html
http://www.meiji.ac.jp/koho/meidaikouhou/201409/p07_02.html
http://www.meiji.ac.jp/shogaku/topics/2014/6t5h7p00000ht44i.html
http://www.meiji.ac.jp/shogaku/topics/2014/6t5h7p00000hstc8.html

(1)Summer Field Trip to Latin American Countries
特別テーマ海外研修科目A「ラテンアメリカ異文化交流・NGOインターシップ体験プログラム」(コーディネーター:中林真理子教授)の受講生9名は、8月5日から22日までの18日間、アメリカ合衆国、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンを訪問し、各地の明治大学海外協定校を拠点に、国際機関や企業への訪問、現地の学生や日系人との交流を行いました。
・アメリカ合衆国(ワシントンDC)
まずは、ラテンアメリカ諸国への経由地となるアメリカのワシントンDCでIMF,世界銀行、米州開発銀行などの国際機関を訪問し、各機関のラテンアメリカの開発支援戦略とオペレーションに関し実務担当の専門家からレクチャーを受け、ラテンアメリカ諸国での活動に備えました。そして同時に各機関の若手専門家との交流を通して、自分たちの今後のキャリアプランを考えるきっかけを得ました。

米州開発銀行の開発支援の専門家によるレクチャー

・ブラジル(サンパウロ)
世界最大の日系社会を有するサンパウロでは、海外協定校であるFAAP大学(Fundacao Armando Alvares Penteado  http://www.faap.br/english/ )、サンパウロ大学(Universidade de Sao Paulo http://www5.usp.br/en/ 以下USPと表記)、リオブランコ大学(Faculdades Integradas Rio Branco http://www.riobrancofac.edu.br/site/Default.aspx )での学生とのジョイントクラスに加え、企業訪問、現地の日系企業等で活躍中の明治大学OBOGによる「紫紺の会」のメンバーと交流、ブラジルのアフリカ式格闘技舞踏カポエイラの体験などを行いました。
サンパウロでの活動は現地の日系社会でも紹介されました。
 http://jp.camaradojapao.org.br/news/atividades-da-camara/?materia=13483
 サンパウロ新聞
 http://www.saopauloshimbun.com/index.php/conteudo/show/id/18739/cat/105

カポイエラを体験

サンパウロ「紫紺の会」の皆さんと記念撮影

・パラグアイ(アスンシオン、イグアス)
首都のアスンシオンでは、駐パラグアイ大使から日本大使公邸での夕食会にお招きを受けたり、ODAの「草の根・人間の安全保障無償資金協力」により設立された小学校を訪問し、子供たちから熱烈な歓迎を受けました。また、現地の大学生とのキャンプ地での共同生活、イグアス移住地での日系人宅へのホームステイなどを体験しました。経済指標の上では豊かとはいえないパラグアイですが、人々の心も自然も豊かで、「豊かさとは何か」改めて考えるきっかけになりました。

小学校を訪問

ラテンアメリカの壮大な自然を実感

・アルゼンチン(ブエノスアイレス、ラプラタ)
日本で渡航計画中にアルゼンチンの債務危機が深刻化し、訪問の実現すら懸念されたアルゼンチンでしたが、実際に訪問してみると、人々は「毎度のこと」と厳しい日常を笑い飛ばしながら力強く生活していました。海外協定校であるラプラタ国立大学(Universidad Nacional de La Plata http://www.unlp.edu.ar/ 以下UNLPと表記)では、ジョイントクラスを行うとともに、過去に明治大学に短期留学した学生ならびに10月来日予定の学生との対面を果たし、交流を深めました。

イグアスの滝にて

アルゼンチンでのfarewell party

帰国後は、10月21日に実施された第11回商学部国際交流フォーラムの第一部「短期留学報告会」(http://www.meiji.ac.jp/shogaku/topics/2014/6t5h7p00000hwngz-att/KokusaiForum2014.pdf)で、以上の18日にわたるアメリカ大陸4か国を訪問したフィールドトリップについて、受講生が自ら成果報告を行いました。この留学で変わったこと、得たこととして、①将来の視野が広がった、②交流が広く深くなった、③タフになった、という3点を挙げ、後輩たちに「施世界に飛び立とう」と力強く呼びかけていました。

フィールドトリップ参加学生によるプレゼンテーション

(2)Mission to Japan
 10月から11月にかけて、アルゼンチンとブラジルから短期留学生を受け入れました。アルゼンチンのUNLPからは3回目、ブラジルは昨年までのFAAP大学に代わり、今年はリオブランコ大学とUSPからの初めてのミッションとなりました。両国からの来日学生は、8月に現地で特別テーマ海外研修科目Aの履修生として訪問した明大生と対面し、その後はSNSで交流を重ね、今回日本で待望の「再会」を果たしました。日本での短期留学生のアテンドは上記の明大生の中で、秋学期特別テーマ実践科目D「Advanced Study of Social and Economic Development in Latin America and Caribbean (LAC) Region」(担当:中林真理子 教授)」を受講中の学生を中心に行いました。

・UNLP 3rd Mission to Japan
10月29日から11月8日まで、大学院生4名を受け入れました。すでに自分の専門分野が確立しているUNLPのメンバーは、それぞれが活躍する分野で日本とのつながりを構築することを目的に、日本社会や日本人への理解を深めることに重点を置いた活動をしました。
日亜の学生たちは、8月以来SNSを通じてお互いの意見を出し合って日本での活動計画をたて、日本滞在中は「日本流」の行動様式でともに企業訪問や観光などを行い、お互いの違いを知ることで、さらに相互理解を深めることができました。
特別テーマ実践科目Dでのジョイントクラスでは、UNLP生は大学院生ならではの緻密な分析力を発揮して、日本では知りえないアルゼンチン経済や教育の現状についてレクチャーをしました。明大生からは「mottainai spirit」として日本における資源のリサイクルについて説明し、アルゼンチンでのリサイクルの実現可能性について意見交換をしました。

日亜学生のジョイントクラス

京都で日本の歴史を実感

・Rio Branco/USP 1st Mission to Japan
 11月12日から22日までリオブランコ大学とUSPから合計5名の学生が来日しました。UNLP同様に、企業訪問を中心とした活動により日本の技術力や、日本とラテンアメリカの経済的なつながりについて学びました。また、日本のサブカルチャーはもちろん、伝統文化に造詣が深いメンバーは、明治大学体育会相撲部の練習見学や、茶道体験などもしました。これらの活動に際しては、UNLPに引き続き8月に南米を訪問した学生を中心とした明大生が同行し、地下鉄での移動や時間管理をはじめ全面的にサポートしました。
帰国前日には、8月以来の活動の集大成として、商学部「中南米地域市場論(担当:所康弘兼任講師)」で、100名を超える受講生を前に、日伯学生の合同チームでのプレゼンテーションを行いました。ブラジルの学生たちは、ブラジルの政治経済について紹介すると同時に、約1週間日本で過ごして感じたことについて述べを披露しました。明大生は、8月のラテンアメリカ諸国でのフィールドトリップと帰国後の留学生の受け入れを始めとした「ラテンアメリカ異文化交流プログラム」の活動を紹介し、自分たちの貴重な体験を同じ商学部生に紹介しました。

相撲部の皆さんと

中南米地域市場論でのプレゼンテーション

2015年1月10日開催の特別テーマ実践科目の秋学期成果報告会での報告で年度内の主要な活動は終了となりましたが、その場限りではない学生交流が続いています。そして2015年度の新たな活動に向けた準備は始まっています。
2009年から本プログラムを支え続けてきてくださっている米州開発銀行勤務・明治大学商学研究所特任研究員の六浦吾朗氏、2012年度に受講生として参加して以降、本年度もラテンアメリカ諸国訪問と日本での学生受け入れに際し常に学生のリーダー的存在として尽力してくださった商学部OBの松木健人氏をはじめ、ラテンアメリカと日本で学生たちの活動をご支援くださった全ての皆様に厚く御礼申し上げます。
なお、本年度の派遣と受入はそれぞれ日本学生支援機構(JASSO)の平成26年度海外留学支援制度の採択プログラム「ラテンアメリカ異文化交流・NGOインターンシップ体験プログラム(短期派遣)」、「日本ラテンアメリカ異文化交流プログラム(短期受入)」の活動として支援を受けています。