このたび新型コロナウイルス感染症に罹患された方及びご家族の皆様には,心よりお見舞い申し上げます。また,医療や介護従事者はじめ感染防止にご尽力されている皆様には,心より深謝申し上げます。
現在,世界では新型コロナウイルスが猛威を振るい,日本も未曽有の難局に直面しています。本学では,本年2月以降,新型コロナウイルス対策に関する「緊急事態本部」及び「新型コロナウイルス教学対策協議会」をいち早く設置し,困難な状況下でも教育研究機関としての大学の役割を維持するための施策を立案し,実行してまいりました。オンライン授業のための教育サーバー増強,オンライン会議システムの使用ライセンス調達,遠隔から図書・論文・新聞・各種資料にアクセスするためのVPN接続回線の強化,さらにはノートパソコンやWi-Fiルーターの無償貸与も,既に実施したところであります。
しかし,新型コロナウイルスの感染症対策が強化されて以降も依然としてその終息が見通せない状況であり,経済活動の停滞による家計支持者の失業や収入減,あるいは学生自身のアルバイト機会の喪失等も含め,日増しにその深刻さが増しており,学生の修学継続に暗い影を落としています。こうした状況を受け,本学では学費納入期限の春学期最終日までの延長や,5億円規模の「緊急学生支援金」の給付を決定いたしました。ただ,新型コロナウイルスの感染終息や,一変した経済状況が好転するには相当の時間を要するともいわれており,これまで本学が実施しております「家計急変奨学金」をはじめとする14億円規模の奨学金・助成金の給付のみならず,一層の支援が必要な状況であります。
つきましては,中長期的な視点で学生の学びを支えていくために,このたび新たに「明治大学学生・教育活動緊急支援資金」(通称:学生緊急支援ファンド,SERF: Student Emergency Relief Fund)を設定いたしました。
今から約140年前に設立された明治大学,その「明治法律学校設立ノ趣旨」に「同心協力」という言葉が燦然と記されておりますように,これまで本学は多くのステークホルダーの皆様と共に手を取り合い,協力して時々の難題を乗り越えてまいりました。今回も「同心協力」の輪を一段と広げ,現在の学生達が安心して学びを続けられますよう,また同時に本学で培った学びを活かして世界の抱える課題を解決へと向かわせてゆける学生達が一人でも多く社会に巣立ってゆけますよう,教職員や校友の皆様方をはじめとして,個人・団体・法人の関係各位より,この資金を通じて本学学生へ力強いご支援を賜りますよう,心よりお願いを申し上げます。
学校法人明治大学 理事長 柳 谷 孝
明治大学長 大六野 耕作
明治大学校友会 会長 北 野 大