文学部紀要
卒業生の声 |
歩いて みて 考えて
私は地理学専攻に在学していた間に国内外を問わず様々な場所に足を運び、多くの「もの」を「みて」、「考え」ました。
中学、高校時代に教科書に載っているフィヨルドの写真を見て、きれいだなと感じました。
しかし、実際に見たノルウェーの大自然の中にあるフィヨルドは何十倍も何百倍も迫力があり、自然の偉大さを感じました。
その時の景観は、今でも脳裏に焼き付けられていて離れません。
地理学専攻の魅力は現場に行き、実際のものを「見て」「感じて」「考える」ことができる点です。
学部1年生から始まるゼミは仲間と寝食を共にします。
各地を「歩いて」「みて」「考えた」経験に加え、同級生、先輩、後輩そして先生と過ごした時間は、私にとり、一生の宝です。
今、私は中学生や高校生に地理を教えています。
教師になったのは、大自然のダイナミックさや社会の存在する問題点について学び、考えたことを少しでも伝えたい、みんなで考えたいと思ったからです。
自らの経験は勝るものは何もありません。経験したことは、広く、深く伝えることができます。
本やインターネット上には載っていないこともたくさんあります。
今の私にとって、経験を伝え、みんなで考えられることが一番の喜びです。
地球上には未だに解明されていない自然環境の不思議や、社会問題が多く存在しています。知識を詰め込むだけでなく、ぜひ地理学専攻で自らの足を使い、「生」を経験してみてください・・・。
出身校:明治大学付属中野高等学校
勤務先:明治大学付属中野中学校・高等学校(社会科教諭)
出身学部:2005年度 明治大学文学部史学地理学科地理学専攻
2007年度 明治大学大学院文学研究科地理学専攻 博士前期課程修了
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在学生の声 |
AI時代にこそ「歩く・見る・考える」
私は中学生の頃から長期休みの度に友達と旅行していましたが、各地を訪れる度、インターネットで調べてもわからない、地域の生活や文化が沢山あるということに気づきました。私にとって、現地に赴くフィールドワーク(巡検)を重視する明治の地理学専攻のスタイルがとても興味深く感じられ、志望校として選択しました。入学してからは、フィールドワークで地域の事象を実際に肌で感じ、考察する機会が沢山あります。物事のスケール感や社会の空気感といった感覚は、インターネットで調べたりAIに聞いたりしても得られるものではありません。現地を歩き、見て、考えることで初めて理解するという体験は、地理学専攻だからこそ出来ることだと思います。 今後入学される皆様は、高校で情報の授業を履修したり、生成AIを日常的に使用したりと、我々よりも一層デジタルネイティブな世代になってくると思います。情報社会の発展は目覚ましく、AIに質問すれば確からしい情報が得られ、綺麗に整理してまとめてくれる時代が既に到来していますが、そんな時代にこそ、人間が実際に現地を歩いて調査する意味があるのではないでしょうか。 大学の地理学は高校の地理とは異なり、各地の地名や特産品を覚える「物知りおじさん」になることを目的とはしません。様々な地域を調べ、比較していくことで見えてくるものが地理学では肝要とされます。AIが人間の感覚を完全に学習することができない以上、地域について調べる際、人間が現地で「観察」するという行為の価値は残り続けるはずです。 AIが発達する今の時代にこそ「歩く・見る・考える」を通して実感のある学びを経験してみてください。きっと、今まで知らなかった世界が皆様を待っています。 |