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学振特別研究員採用者体験談33

伊藤 佑太氏(審査区分:数物系科学)

2025年度DC2採用

在学中の所属:理工学研究科電気工学専攻 小椋 厚志研究室

(1)学振特別研究員へ申請しようと思ったきっかけ

自分自身で研究テーマを立案し、申請書という作品を創生し、研究費の獲得に挑戦する、そして、その申請書という形の結果に対し審査員から評価を受けるというプロセスに関心を持ったためです。数あるプログラムの中からなぜ学振特別研究員を志望したのかという理由については、他の研究支援プログラムと比較して、研究遂行に活用可能な研究費がより充実しているためです。

(2)学振特別研究員の申請開始時期及び申請を終えるまでの期間について

申請書類の作成開始時期は、締め切りのおよそ1週間前でした。まず、自身の研究分野に関連する文献や書籍を幅広く読み進めつつ、日常生活を送りながら、漠然とではありますが興味深い研究テーマが浮かばないかを意識し、研究に関する構想を頭の中で組み立てていきました。そうした過程の中で、研究の方向性を一つのストーリーとして思い描くことで、申請書全体の構成を固めていきました。
文章を書く作業自体はもともと苦手ではなかったため、執筆そのものに特に大きな負担は感じませんでした。筆が止まったり、考えが行き詰まった際には、大学構内を散策して気分転換を図りながら作業を進めました。
指導教員に申請書の内容を確認していただきましたが、修正は主として表現や体裁に関するものであり、研究計画の内容そのものに大きな変更が加えられることはありませんでした。そのため、自分自身での内容への添削・改定が主であり、修正作業に特に多くの時間を要することはありませんでした。
一方で、申請書のルールブックに則り、字数や行数といった制約を満たしつつレイアウトを整える作業には、やや苦労しました。書き始めは書かないといけないことが多いと感じましたが、終盤の仕上げの頃は書きたいこと・書くべきことが全然書けないという気持ちになりました。

(3)申請書作成時の留意点、苦労話、採用につながったと思うポイント等

前回の申請(DC1)でなぜ落ちたのかをまず分析しました。面白いテーマであっても実現可能性の道順が読み手に伝わらないと採用には至らないと思い、2回目の申請は1回目のものと異なるテーマを1から練り上げていきました。読み手(審査員)の思考を自分なりに想像し、自分がもし審査員だったらという気持ちで臨んだ点は良い申請書の作成に繋がったのではと思っています。「この研究やってみたら」と一言もらえるような申請書作りに努めました。
 

(4)特別研究員になって良かったと実感したこと

全てが当初の研究計画通りに進むわけではない状況の中で、最終目標を見据えつつ、必要に応じて計画を微調整しながら研究を遂行していくという経験は、自身にとって非常に有意義なものかと思います。また、自ら配分された研究費を主体的に管理・使用し、その執行計画を立てながら研究を進めることを通して、研究遂行全体を見つめなおすという経験は、研究者としての自立性や責任感を養う上で大きな糧となったと感じています。

(5)特別研究員を目指す本学大学院生へのアドバイス

申請書の作成は基本的には自分自身との戦いのようなものではありますが研究案・計画をくみ上げて、それを文章という形にしている過程を楽しめることが重要だと思います。執筆していて自分自身が面白いと感じられない申請書は、その研究計画自体の魅力についても、改めて考え直す必要があると思います。そして、日ごろから自分自身が主体となり研究に取り組むことができていれば自分が何を書くべきなのかを自然に見出すことができるはずです。そのようにして完成された申請書は、仮に不採択になったとしても将来の自分の成長に資する貴重な糧となり、研究者としての自信につながると考えます。