学長室

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第14回明治大学シェイクスピアプロジェクト「トロイア戦争‐トロイラスとクレシダ‐」の公演に寄せて

2017年11月10日
明治大学 学長室

第14回明治大学シェイクスピアプロジェクト「トロイア戦争‐トロイラスとクレシダ‐」の公演にあたり、本上演を待ちわびていたシェイクスピアフリークをはじめとする皆さまに、一言ご挨拶申し上げます。

明治大学シェイクスピアプロジェクトは、この数年は4000名近い来場者があり、一大学の学生イベントの域を超えていると言っても過言ではない。また、とてもユニークで、驚くほど素晴らしい。ユニークなのは、プロの方々のサポートを借りながらも、企画・運営・翻訳・キャストのすべてを学生が主体となって行い上演されるということ、そして何よりもシェイクスピア作品の中心に届くナイーヴな力を持っているからである。

ナイーヴさは、演劇の核心だ。プロでもそれを表現するのはなかなか難しい。プロは激しいエネルギーでつくりものを突破してこのナイーヴさに至ろうとする。ところが、明治大学シェイクスピアプロジェクトは、そのナイーヴな自然さをいつも表現してくれる。シェイクスピアの登場人物が時代を超えて観客の目の前にいるのだ。このシェイクスピアプロジェクトこそ、明治大学の美しく激しい生命のように思える。

今回上演される「トロイア戦争‐トロイラスとクレシダ‐」は果たしてどんな上演になるのか。上演回数も少なく、あまり知られていない作品だ。私も見たのは一度だけ。約40年前(あ~、そんなに前か・・・)に、渋谷パルコの横にあった「渋谷ジァン・ジァン」のシェイクスピア・シアター公演で見た限り。蜷川幸雄の演出は見ていない。主題は恋の戦いだが、場面はトロイア戦争である。トロイア戦争自身が、ギリシャ神話だから、はるかに遠い昔の戦争である。今はコンピューター・ウィルスの名前になってしまった「トロイの木馬」が登場する戦争でもある。しかも、シェイクスピアの関心は、トロイア戦争にはなく、恋をめぐる男と女の話になっている。さらに言えば、悲恋でもなんでもなく、恋の喜劇といった方がいい。この芝居をどう表現するのか。とても楽しみだ。明治大学の学生の素晴らしさがこの難しい芝居を自然なままに表現してくれることを確信している。そのナイーヴさに(シェイクスピア風に言えば)演劇の神々は祝福と感謝を施すに違いない。 
  
まさに、明治大学シェイクスピアプロジェクトが、秋の一夜を至極の一時に変える瞬間がやってきたのだ。

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