Go Forward
明治法律学校が「権利自由、独立自治」の旗をかざして創立されて、ほぼ1世紀半が経過した今、改めて、明治大学にとっての権利自由、独立自治の意味を考えました。
我々人類はより良い明日を願って数10万年の歴史を紡いできました。その願いは多くの場面で一定程度叶えられてきたと言えましょう。我々ホモ・サピエンスはラテン語で「賢い人」「知恵のある人」の意ですが、その面目躍如と言って良いでしょう。
しかし、願いが全て叶ったわけではありません。今なお、環境破壊や資源の枯渇、戦争、弾圧、差別、貧困など我々全体の存続さえ脅かしかねない問題が地球上には山積しています。
むしろ、人類が抱える現在の問題は、質、量ともに昔よりも深刻化していると言えるかも知れません。これらの問題に共通する原因は何でしょうか。私は、簡単なことだと思います。1,000人の人間が1,000人の人間の尊厳を尊重しないことなのではないでしょうか。自分を大切にすることも必要、それと同じように他人を尊重することも必要。つまり、世界規模での自他の自由の尊重を実現すること、換言すれば「権利自由、独立自治」を実現することこそが問題解決の途となると考えています。
明治大学の創立者達は1世紀半前にこれを旗印にしました。明治大学の歴史は「権利自由、独立自治」の実現を目指す歴史だったのです。そして、それが未だ達成されていないことは上に述べたとおりです。それゆえ、当然のこととして、明治大学は、これからもその達成を使命として前へ進んでいかなければなりません。
幸いなことに、明治大学はこの1世紀半の間に、10学部16研究科を擁し、3,000人の教員と900人の職員、35,000人の学生、そして、60万人の卒業生によって構成されるに至りました。この多様性と総合性、そして規模を活かした学問の力で、人類のより良い明日の実現に貢献することができます。
教職員、学生、卒業生の皆さん、使命達成に向けて一層の同心協力をお願いします。社会の皆さん、人類のより良い明日の実現に向けて前進する明治大学への一層のご理解とご支援をお願いします。