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学長室

「校友会代議員総会」あいさつ

2024年07月28日
明治大学 学長室

 皆さま、おはようございます。
 本年4月に法学部長から学長に就任いたしました上野正雄でございます。1980年に法学部を卒業しました。どうぞ宜しくお願いいたします。
 
 本日は、このように多くの校友の皆様のご出席のもと、2024年度定時代議員総会が開催されますこと、心からお祝いを申し上げます。
 また、北野校友会長をはじめ、校友会の皆様には、日頃より明治大学の発展に多大なるご支援をいただいておりますこと、厚く御礼を申し上げます。
 
 私、今年が初めてなのですが、先月から、宮城、群馬、山梨の校友会支部総会に参加させていただきました。いずれの会でも、明治愛に溢れた多くの校友の皆様に歓迎していただき、様々なお話をさせていただきました。
 とても嬉しかったと同時に、とても頼もしく思えまして、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
 このあと、8月と10月に長崎と韓国にもお伺いする予定です。大いに楽しみにしております。また、来年度以降も、各地の支部総会に出席させていただくのを楽しみにしております。お伺いした際には、どうぞ宜しくお願いいたします。
 
 ところで、3支部の総会では多くの方と、「虎に翼」の話題で盛り上がりました。ドラマそのものが面白いですね、という話はもちろんですが、明治大学には、こういう女子教育の歴史、女性卒業生活躍の歴史があったんですね、という感嘆もありました。
 
 女性への高等教育の先鞭を付けた明治大学ですから、戦後も約80年が経った現在、女子学生の割合において、全国トップクラスになっていて然るべきはずですが、そうはなっていません。これは、当然ながら、“もっとおしゃれなキャンパスにすれば”、というような単純なことではありません。
 明治大学そのものが、多様性を尊重する大学であることを理解してもらって、人口の半分を占めながらも、今のところ、男性より低い大学進学率に止まっている女性にも更に評価され、支持されていく必要があります。
 
 そしてこのことは、こと女性に限ったことではありません。
 多様性の尊重ということは、もちろん、明治大学の理念である「個」の尊重に他ならないのですが、その実現は、女性のみならず、社会人や学国人、更には、様々な性的志向や出身地域・国の、学生そして教員・職員が、相互に様々な刺激を与え合うことで活力を発揮する明治大学になることを意味しています。
 
 近い将来の18歳人口の大幅な減少が予測され、日本の国力低下も取り沙汰されています。どこの大学にとっても安閑としていられない、極めて厳しい将来予測です。しかし、多様性を尊重し、それを包摂していくことができていれば、乗り越えられると思っています。多様性は、変化する社会への備えです。
 
 明治大学の1世紀半の歴史は、時として政府の方針とさえ対立する「権利自由、独立自治」の建学の精神を愚直に堅持しつつ、その一方で、「虎に翼」で描かれているように、変化を厭わない、つまり、多様性を尊重して柔軟に対応してきた歴史です。多様性は明治大学の永続性の要諦でした。
 
 そして、現在も明治大学は、「MEIJI VISION 150 前へ」において、例えば、教育面では、「教育を受ける時期や年齢・場所を問わない、多様な教育の提供」、「国内外から多様な学生を受け入れるとともに、世界に挑戦する学生への支援」などを掲げています。
 
 この1世紀半の歴史の成果を教職員がしっかり引き継ぎ、学生に伝え、それを、60万の明治愛に溢れた校友の皆様に支えていただくとき、明治大学の将来はどの大学よりも輝かしいものになるに違いありません。
 
 校友の皆様には、今後とも厚いご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、本日の総会が稔り多いものとなるようお祈り申し上げて、結びとさせていただきます。