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学長室

政策課題の進捗と本学のさらなる飛躍に向けて

2025年03月26日
明治大学

学長 上野 正雄

昨年4月に現学長室が活動を開始してから早くも1年が経ちました。この間、さまざまな場面で皆様のご支援とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。

学長室ではグランドデザイン2030の達成に向けて、7つの政策課題を学長方針「重点戦略」として掲げ、政策課題ごとに計画を策定し、取り組みを進めています。ここでは2つの政策課題の進捗について紹介いたします。

全学的なキャリア形成支援を目的とした政策課題「起業家教育とスタートアップ支援体制の整備」については、おかげさまで、本年4月から新制度の運用を開始する運びとなりました。詳細につきましては、本号「明治大学 起業・スタートアップ支援室の開設」をご覧ください。

国際化に向けた取り組みの一環である政策課題「学生の国際流動性の促進とキャンパスの内なる国際化の推進」については、中長期留学助成金制度について見直しを行いました。在学中に多様な経験を積むことは、学生にとって一生の大きな財産になります。本学としても、学生が幅広い視野を持ってさまざまなことに挑戦することを大いに奨励・支援したいと思っています。起業支援はその観点も踏まえての施策であり、海外留学もその一つです。幸いなことに本学の海外への留学者は着実に増加しています。この流れをさらに強力に後押しするために、現在の経費助成制度を見直し、充実を図ることとしました。

本学では、「外国留学奨励助成金(奨励)」と「海外トップユニバーシティ留学奨励助成金(トップ)」の2つの給費型助成金により、学生の海外留学を支援してきました。しかし、より多くの学生を対象とした手厚い留学支援(奨励)および優秀な学生の海外トップユニバーシティへの留学の後押し(トップ)という制度趣旨と制度内容の調整が必要になりつつありました。具体的には、「奨励」については欧米大学の授業料の高騰や円安、海外の物価高などの社会状況の変化に対応することが、「トップ」については当該大学の学生との実質的な交流を促進することができるような留学を支援することが、それぞれ必要になってきたということです。

そこで、2027年度より、「奨励」については、助成額を現行制度より70万円増額して年間最大約220万円に引き上げ、渡航費や授業料への手厚い支援を行うことにしました。「トップ」については、対象プログラムからサマーセッションを除外して1学期以上の留学に限定するとともに、さらに、助成対象となる留学先大学を、原則として世界大学ランキング(QSまたはTHE)100位以内の大学に広げ、米英以外の大学も含めることにしました。1人当たりの支給額の上限は現行の年間700万円を維持します。

これらの支援策を通じて、これまでよりさらにさまざまなタイプの学生が留学に挑戦できるようになります。学生一人ひとりが自らの可能性を広げ、国際的な舞台で活躍できる力を高めていくことを期待しています

今後も、学生が多様な経験を積み、自らの可能性を最大限に引き出せる大学にしていくための方途を検討していきます。本学のさらなる飛躍に向けて、引き続き皆様のご理解とご協力を賜りますよう、お願いいたします。