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学長室

2016年度お茶の水JAZZ祭によせて

2016年10月09日
明治大学 学長室

明治大学OB宇崎竜童さんの呼びかけで始まったお茶の水JAZZ祭が、このたび第10回を迎えます。明治大学と千代田区、そして千代田区の商店街のみなさんとが協同した音楽イベントとして、今や多くの人々が待ち望む、季節の音楽祭になりました。

このイベントには、やはり宇崎竜童さんが声をあげて作られた「明大町づくり道場』の学生たちがボランティアで参加しています。この「明大町づくり道場」は、お茶の水JAZZ祭以外にも、神田駿河台地区でのさまざまな音楽ライブイベントの企画運営にも参加しています。さらには「神田スポーツ祭り」、「神田ブックフェスティバル」、「神田カレーグランプリ」の運営にもかかわっています。学生の主体的な活動が、明治大学の社会連携や地域との連携に大きな役割を果しています。

また、明治大学駿河台キャンパス周辺は、今や多くの楽器店、スポーツ店が集まる場所として有名になりました。クラシックからロックまで多彩な音楽ジャンルをカバーする楽器店がひしめいています。サーフィンからスキーにいたるまで、あらゆるシーズン・スポーツの用具が取り揃えられ、神田に来れば、どんなスポーツの用具も調達できます。本の街・神田は、音楽とスポーツの街でもあり、そこに明治大学は共生しているのです。この地域の特色と財産をより発展させられるよう、明治大学の教育研究成果をこれからも還元していきたいと思います。

そして、私にとってジャズは特別な音楽です。学生時代には、今は無くなってしまったジャズ喫茶の「響」』へいつも行っていました。明治大学から白山通りに抜ける路地にあったその店こそ私の学生時代の中心でした。大学院生の頃には、幸いに今もある御茶ノ水駅前の「NARU」というライブハウスにも通いました。また、六本木の「BODY AND SOUL」というジャズのライブハウスには毎週通っていました。そこは深夜になるとジャズ・プレーヤーが集まってきて、ジャム・セッション(集まった人々による即興演奏)が始まる場所でした。国や人種や世代をこえた場所として今の世界があるということを私に最初に教えてくれたのは、この「BODY AND SOUL」でした。多様性に溢れたこの世界を、ジャム・セッションする場所として捉えるきっかけを与えてくれたのは、ジャズだったのです。

お茶の水JAZZ祭をリードする宇崎さんも「音楽は人を結ぶもの、心を結ぶもの」と語っています。この多様な世界を結ぶJAZZほど、世界に開かれた大学をめざす明治大学にふさわしいものはありません。まさしくジャム・セッションする大学でのJAZZ祭を楽しんでください。結びにあたり、あらためてこの音楽の祭りにご協力いただきました多くの方々に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。