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就職活動体験記

理工学部 機械工学科

株式会社 オリエンタルランド 技術職

『就職活動報告』
内定先は株式会社オリエンタルランドで、アトラクションやショー機材の点検、整備、開発業務を担当する、技術職として採用されました。
私は理系ですが、学部生で就職という道を選びました。理由は、理系ということで初めは院に進むものだとただ漠然と考えておりましたが、研究というものにあまり魅力を感じなかったので、二年早く就職し、社会人として早く一人前になりたいと考えたからです。また、そんな気持ちで院に進んでも、ただ両親に迷惑をかけるだけだと感じたからです。
私は当初、大学に入学し学んでいけば、何かやりたい仕事が出てくるものだと思っておりました。しいていうならば幼いころからパイロットになりたいという漠然とした気持ちはあったのですが、視力の関係などの問題があり、最初から半ばあきらめている状態でした。そんな甘い考えでやりたいことなど出てくるわけもなく、いざ就職活動の時期を迎えてもなにがやりたいことなのかが明確に見えてきませんでした。そこで、就職活動をするにあたり多くの業界にふれ、かたよった見方をなくすことを心掛けて就職活動をすることで、自分の本当にやりたいことを見つけていこうと考えました。そこでまず、どんな業界があって、どんな企業があるのかを、就職四季報を使って、徹底的に調べ上げました。この就職四季報というものは、給料のことや有給のこと、昨年度の就職された方の大学名といった様々な条件が載っているので、非常に便利でした。価格が高いので、ブンナビという会社が開くセミナーに参加するといいと思います。無料で配布してくれます。ただし、一日拘束されるのでその点を考慮してください。そして、その情報やホームページの情報を整理したうえで、手当たり次第に会社説明会に行きました。会社説明会に行くメリットとして、その会社にどんな社員がいるのか、そしてその人の生の声が聞けることがあります。ホームページでもそういったことがのっているのですが、自分で調べていく際に疑問に思ったことや、その人に質問することで人柄が垣間見えます。本当の姿ではないのかもしれませんし、その人達だけがその会社の人間ではないのですが、会社を代表して説明してくださる社員なので、大体の会社にいる社員の雰囲気や特徴がわかります。また、もう一つのメリットとして、今欲している人材や、その会社の経営理念、今特に推している事業など、ホームページに書いている内容を簡潔にまとめてくださっているので、自分で調べる手間を省けるというメリットがあります。ですが、せっかく会社説明会にわざわざ電車賃を払っていくので、きちんと下調べをしていくことで、ホームページには書いてなかった情報や、聞き漏らしを少なくできるので、下調べはやっておくことをお勧めします。
このように会社説明会にいったり、今まで自分がどんなことが好きだったか、また少しでも夢見た仕事があったかなどをノートに書きだしていく、などといったことを進めていくなかで、ディズニーランドのショーを見たときに味わった感動を自分の手で作っていきたいなと夢見たことがあった時期があることを思い出しました。そこからは、オリエンタルランドを第一志望として考え、技術者としてより多くの人を感動させるショーを作りたいという夢を追いかけてみようと思いました。しかし、第一志望としてその会社を受けることは決めたのですが、ほかの業界も含めて多くの会社を受けたうえで、自分という人間を細部まで見ていただいたうえで内定を頂けるところにいこうと考えました。それは、いくらやりたい仕事だったとしても、これから40年働く場所の方々に「こいつとならやっていける、こいつはほしい」と心底思っていただけないところでは働きたくなかったからです。結果として、ここまで人を深くまで見てくれようとする会社はなく、第一志望としていた会社から幸運にも内定は頂けたのですが、もしここまで深くまで自分という人間を見てくれず、内定を頂けたとしたら返事をしていなかったと思います。
そもそも、私が就職というものを本当に意識し始めたのは、夏休みにインターンでいったある商社での同期との意識の差を感じてからでした。ESを何度も添削した、TOEICの点数が800は超えている、面接も何度も練習している、など自分が圧倒的に出遅れていることを痛感しました。そこでまず、夏前のインターンのESを書いているとき、どの企業もESにTOEICの点数を必ず書かされ、その点数を書く事ができなかった経験から、これからの就職活動が本番になっても書かされるものなので、夏休みから秋までの間に履歴書に書く事ができるTOEICの点数を取得しようと考えました。様々な方法をネットで見たりして、その中から自分で取捨選択した方法で点数を上げるために試行錯誤したのですが、私は手っ取り早く点数をあげるためには模試を何回も解くことが一番いいと思います。TOEICというものは自分の考えでは、本当の意味での英語力を測るものではありません。なので、何度も何度も模試を解き、TOEICというものに慣れていくだけで英語が苦手な人でも点数はおのずと上がっていきます。お勧めの教材は12回分の模試がついて、韓国の方が著者であるものです。解説は詳しくないのですが、リスニングが本番の約1.5倍程度のスピードであるため、本試験が簡単に思えるところと、12回もあるので、本番までに何度も解くことで時間配分を身につけることができ、そのうえで自分の不得意なところを見つけ、そこを補う参考書を買ってこなしていくことができます。そうすることで短期間のうちに700点台の後半を狙っていけると思います。そうして、TOEICにめどをつけつつ、秋に就職活動の報告会に参加しているときに、SPIの準備も早めにしておいたほうがいいとの声を聞きました。SPIはそんなに難しいものではないのですが、後々まで対策を先延ばしにすると、ES対策、面接対策などといった、就職活動のきもとなる対策をすべき時期と重なってくるので本当に大変になってきます。ですから、早めに対策をし始めたほうがいいと思います。先ほど、そんなに難しいものではないと述べましたが、よく聞くうわさで、そんなに難しいものではないからこそ、大手と呼ばれる会社では9割近い点数がないとそもそもESが読んでもらえない、といううわさがあります。それは、私は本当だと思います。なぜなら、何千枚というESを処理していかなければならないのに、そもそも簡単なテストがこなせない学生を見ている余裕が企業にはないと思うからです。やはり大手企業に行きたい方が多いと思うのですが、そのような会社には当然優秀な学生が集まり、筆記テストのボーダーラインも上がります。対策をきちんとすればとれる点数を、対策を怠ったためにESすら読んでもらえないのは本当にもったいないことだと思います。ですから、先延ばしにしたり、テスト対策を甘く見たりせず、しっかりと対策をしてください。
まずはこの二つの要素を固め、余裕があればTOEFLの勉強もしてください。TOEFLの点数も多くの企業でESに書かされましたので、その点数も持っておくと非常に有利だと思います。なぜなら、TOEICの点数を持っている学生は本当に多くいますが、難易度があがるTOEFLの点数を持っている学生はなかなかいないからです。なので、余裕があれば勉強をして点数を持っておくとよいと思います。
そのように対策を進めていき、就職活動のなかで一番大変だった冬から3月を迎えました。この時期は多くの企業のESが出てくるのですが、その締切がどこも似たり寄ったりでESを書かなくてはいけない、しかし面接の練習もしなくてはいけないと、やることが多くなってきます。ですが、たまに飲みに行ったり、遊びに行ったりして適度に息抜きをしてください。就職活動は思ったより大変で、ストレスも溜まります。やることもやりつつ、遊んでストレスを発散することも忘れないでください。
しかし、このように遊ぶためには、早期の事前準備が大切です。私はまだ、1月頃から就職キャリア事務室に通い、ESの基礎的質問内容をある程度固めていたのでよかったのですが、それでも大変なほど3月は忙しいです。ですから私のお勧めとしましては、ESの基礎的質問内容はどの企業でも聞かれますし、文字数が多少前後するだけなので、まずはそこを1月や2月といった早い時期に固めてしまい、さらにゼネコンなど特定の業界は面接の時期が他業界よりも早いところがあるのでそこで面接慣れをしておき、就職活動の地力の基礎をそれまでに身に着けておくことです。ここで、ESと面接の練習は自分だけでやるものではなく、また友達とやっては意味がないと思います。それは、採用する側の目線がわかっていないからです。ですから、そこをきちんと理解しておられるキャリア事務室の方の力を大いにお借りし、対策を進めていくことが得策だと思います。こうすることで後に自分でアレンジを加える能力がつき、一個一個の準備にかかる時間がグッと減ります。自分で最初に書いたESや、面接の想定した回答を後に見返すと、説得力に欠けるものだな、キャリア事務室に通って添削してもらって本当に良かった、と感じました。この時期から、就職キャリア事務室が主催する行事も多くありますし、その行事にでることと就職キャリア事務室を利用することはもちろんお金もかかりませんので、積極的に利用していくべきだと思いますし、利用しないと損だと思います。就職キャリア事務室が支援してくださる行事の中で私が一番よかったと思った行事は、企業の説明会が学校内で受けることができるものです。電車賃がかからないことや、スーツを着ていかなくていいところなども理由としてありますが、最大の理由はOBや今年度の内定者と話ができるところだと思います。これを利用すればOB訪問をすることで本来は得られるものが得られると思いますし、ESの内容もより深い内容になると思います。面接でもOBと話をして感じたことを話すことで、他の就活生との差別化を図ることができると思います。あちらから足を運んでもらい、話も聞けるこの機会を逃しては本当にもったいないことですので、ぜひ参加してください。
キャリア事務室での面接の練習やESの添削などは、最初はうまくいかなかったり、人前で自分を見せることが恥ずかしかったりしますが、それを乗り越えないと内定はいただけません。キャリア事務室の方に言われたことを一つ一つ吸収し、慣れてきたらその中で自分にあったものや自分の考えを盛り込んでいくことがよいと思います。キャリア事務室の方は丁寧に対応してくださりますし、的確なアドバイスを頂けます。そして、自分の今の状況や悩みを聞いてくださり、励ましてもくれます。その励ましの言葉が悩んでいるときは大いに力となります。
私は、就職活動は家族で戦うものだと思います。それは、面接が進んでいくと両親の年代の方に自分という商品を売り込んでいくことになるからです。両親と面接の練習をすることは非常に恥ずかしいと思いますが、そこ聞くの?とか、そんな捉え方するんだ、など非常に勉強になることが多いですし、実際本番で同じようなことを聞かれました。多少甘めに見過ごしてくれる両親ですら納得させることのできない受け答えでは、確実に面接官を納得させることはできません。両親のような年代の方々と練習する機会はあまりないので、ぜひ一度は両親と練習することをお勧めします。
私は、愛知県出身で機械工学を専攻しているということもあり、地元の自動車業界も受けていきました。お恥ずかしい話ではあるのですが、私がそもそも理系を選んだ理由が大学に入学しやすいと聞いたことで、その中でも機械工学を専攻した理由が就職で潰しが効くと考えたためです。そのため、機械工学で学んでいることがあまり得意ではなく、興味もあまりありません。そんな自分が東大や京大といった一流大学の修士をでてきた人たちとこれから研究を共にしても勝てないだろうと考えました。そもそも私の両親は自分の道は自分で決めなさい、という両親だったので、オリエンタルランドに決めた時も何も言われませんでしたが、それでも両親にもその旨を正直に話し、地元の企業に就職しないことを伝えました。ここまで育ててくれた両親には、きちんと自分の考えを伝えて、納得してくれた状態で決断をしたかったからです。私は、学生は、今の就職活動の進捗状況や、心境なども両親に伝えていってほしいと思います。なぜなら就職活動とは、人生を左右する重大なことなのでご両親は大変心配されていると思うからです。ご両親も、お子さんが就職活動で必ず満足のいく結果が得られる保証はありませんし、仮に自分がここならいいかな?と思った企業でも、本当にやりたいことがない限り、ここで本当にいいのだろうかとか、内定をもらえた今でも本当にここでいいのだろうか、など悩みはつきないと思います。ですから、お子さんが迷っているときは耳を傾けて、どうしたいのかを聞いてあげてください。そしてそのうえで、お子さんが言う意見にご自身の今までの経験に基づく意見を言ってあげてください。双方がお互いの気持ちを考えながら就職のことを真剣に話し合って、最善だと思える選択ができることを願っています。

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