第22回 植村直己冒険賞 北極冒険家の荻田泰永氏が受賞
日本人初「南極点無補給単独徒歩到達」に成功した荻田氏
第22回「植村直己冒険賞」の受賞者発表記者会見が2月16日、駿河台キャンパス・紫紺館で行われ、北極冒険家の荻田 泰永氏が受賞した。
これは、世界的冒険家である故・植村 直己氏(1964年農卒、山岳部OB)の精神を継承し、自然を相手に創造的な行動・業績を表彰することを目的に、植村氏の出身地・兵庫県豊岡市が実施するもの。
荻田氏は2000年に大場 満郎氏(第4回植村冒険賞受賞)に付いて初めて北極を訪れ、これまで15回の北極行を経験。そこに住むイヌイットの人々の文化や歴史、野生動物などに関心を深め、北極圏各地を900km以上移動してきた。外部から物資の補給を受けることなく(無補給)単独徒歩で、これまでに北極点を目指し二度断念するも、地球の両極地を歩いてみたいという思いから南極行に挑戦。2018年1月に日本人初の南極点踏破を達成した。
受賞に際し荻田氏は「18年前に大場さんが植村賞を受賞する姿を間近で見ていたので、今この席に僕が座れているのが不思議な感覚」と喜びの表情で語った。また植村さんについて聞かれると、「お会いしたことはないけれど、冒険中行く先々で植村さんの人間性をたたえる話を聞いた。各地で植村さんが信頼関係を築いてくださったおかげで、今自分もたくさんの人に助けてもらいながら冒険できている」と感謝を述べた。