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語り継ぐ戦争の記憶—大塚名誉教授と土屋学長による対話講演会を開催しました

2019年04月08日
明治大学 広報課

大塚初重名誉教授と土屋恵一郎学長による対話講演会「戦争と平和—明治大学から平和を考える—」が3月30日、駿河台キャンパス・グローバルホールで開催されました。会は土屋学長や司会の矢島國雄文学部教授からの質問に大塚名誉教授が答える形で進行し、冒頭は大塚名誉教授が東京大空襲や、自身が海兵団に入団後、上海で捕虜になったことなど、自らの戦争体験談を披露しました。土屋学長が「戦争の記憶が語り継がれていくことが大事ではないか」と述べると、大塚名誉教授も「戦争はやってはいけない。始まったら生きては戻れない」と戦争の恐ろしさを聴講者に語りかけました。

つづいて、大塚名誉教授の専門分野である古墳調査に話題は移り、同氏がこれまで携わってきた登呂遺跡や綿貫観音山古墳等の調査について解説がなされました。特に、同氏の虎塚古墳での石室絵画の発見は「まさか自分がこういったものを発見するとは思わなかった。本当にラッキーだった」と臨場感たっぷりに語りました。

大塚名誉教授が調査をするうえで意識してきたのは、古墳を作った当時の人達が何を考えながら古墳を作ったのか、ということです。古墳自体の研究は進んでいますが、被葬者とそれを作った人々との関係論は実に迫った理解に至っていません。同氏は、後世の研究者にも、そういった古墳時代の人々の気持ちを明らかにしていってもらいたい、と話しました。

最後に土屋学長から天皇陵調査の見通しについて聞かれると、大塚名誉教授は「宮内庁の許可が出ても、国民の感情論があるのでそう簡単には学術調査は出来ないと思うが、もし許可が出た場合は手を挙げたい」と熱く語り、会場は大いに盛り上がりました。