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日経ビジネスイノベーションフォーラム 「ミドリムシが切り拓くバイオの世界」をテーマに、農学部・小山内准教授の研究を発信

2020年02月21日
明治大学 広報課

本イベント実施の意義を強調する土屋学長本イベント実施の意義を強調する土屋学長

研究成果を発信した小山内准教授研究成果を発信した小山内准教授

“微細藻類ユーグレナ”の可能性について討論を展開“微細藻類ユーグレナ”の可能性について討論を展開

明治大学と日本経済新聞社イベント・企画ユニットが主催する日経ビジネスイノベーションフォーラムが2月19日、駿河台キャンパス・グローバルホールで開催され、ビジネスパーソンを中心に、130人の来場者が集まりました。

本イベントは、社会的課題の解決に向けた企業、政府、自治体などの連携した取り組みや今後の展望を共有、提言するシンポジウム。微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)が秘める大きな可能性に社会的注目が集まる中、本学はユーグレナ社などとの共同研究を通じ、バイオプラスチックの原料となるコハク酸や、医療用・食品添加用への活用が考えられるアミノ酸の生成などの成果を上げてきました。いずれも資源枯渇や環境破壊、食料難など、現代社会が抱えるさまざまな課題の解決につながると期待されています。これから先、微細藻類はどのような世界を切り拓いていくのか、「ミドリムシが切り拓くバイオの世界」をテーマに、土屋恵一郎学長、小山内崇准教授(農学部)と株式会社ユーグレナの出雲充代表取締役社長が登壇しました。

冒頭、あいさつに立った土屋学長は、「バイオジェット燃料やバイオプラスチックが実用化されるまさに今、私たちは文明の転換期に差し掛かっている。今日は未来の希望を見せてほしい」と本イベントの重要性を強調しました。

つづいて第1部の講演では、「ミドリムシを使って、二酸化炭素から“ちょっと高いもの”を作る」をテーマに、小山内准教授(環境バイオテクノロジー研究室)が登壇しました。微細藻類であるユーグレナの発酵によって、プラスチック原料であるコハク酸を生産することを発見したことや、培養方法の改良によって、ユーグレナの発酵を促進させる方法を発見したことなどの研究成果を紹介。社会実装、社会により貢献していけるよう、今後の研究への意気込みも語りました。

第2部では、「株式会社ユーグレナによるイノベーション創発への取組」と題し、出雲氏が講演しました。同社は、2005年12月に世界で初めて微細藻類ユーグレナの屋外大量培養に成功した東京大学発ベンチャー企業。なぜ、微細藻類ユーグレナの研究に着目し、事業化を目指したのか。「人と地球を健康にする」とした経営理念や事業領域、イノベーションが求められる昨今の社会的背景に基づく取り組みなどを紹介しました。

休憩を挟んで行われたパネルディスカッションでは、「産学連携の意義と今後の課題」をテーマに、登壇者3人にユーグレナ社で研究開発を担当する鈴木健吾執行役員を加え、日経サイエンス発行人の鹿児島昌樹氏がモデレーターを務めました。プレゼンテーションを踏まえての感想や本学とユーグレナ社の共同研究のきっかけや意義、研究成果の素晴らしさのほか、大学と民間企業が共同し、新技術・産業を創出する上でのおのおのの役割、産学連携の課題など幅広い話題が展開され、盛況のうちに幕を閉じました。

なおイベントの詳細については、採録記事として3月中旬~下旬に、日本経済新聞特集面で掲載予定です。