遺伝子改変でプラスチック原料「バイオコハク酸」が5倍増-ラン藻の光合成の力で二酸化炭素を工業原料へ-

2015年09月24日
明治大学

遺伝子改変でプラスチック原料「バイオコハク酸」が5倍増
-ラン藻の光合成の力で二酸化炭素を工業原料へ-

要旨

明治大学農学部農芸化学科の小山内崇専任講師、飯嶋寛子共同研究員らの研究グループは、理化学研究所の平井優美チームリーダー、近藤昭彦チームリーダー、白井智量副チームリーダーらの研究グループと共同で、二酸化炭素からのバイオコハク酸の生産に成功しました。
コハク酸は、バイオプラスチックの原料など、汎用的な化学工業原料として知られています。現在、多くのコハク酸は石油から合成されていますが、世界的に生物を用いてコハク酸(バイオコハク酸)を生産する流れになっています。しかし、現在のバイオコハク酸生産は原料に糖を必要とすることから、人間の食糧や資源と競合してしまいます。
研究グループは、光合成を行う細菌であるラン藻(シアノバクテリア)を用いて、二酸化炭素と光エネルギーを資源とするバイオコハク酸の生産を試みました。ラン藻のバイオコハク酸生産は、報告数が極めて限られており、工業生産レベルに遠いだけでなく、研究プロジェクトそのものもほとんど立ち上がっていません。

世界で広く研究されているラン藻である「シネコシスティス」[1]を用いて研究を行ったところ、嫌気条件下でコハク酸が細胞外に放出されることが明らかになりました。コハク酸生産量を増大させる遺伝子を探索したところ、酢酸合成酵素である酢酸キナーゼを欠損させることで、コハク酸生産量が2.5倍に増加しました。また、RNAポリメラーゼシグマ因子[2]の1つであるSigEのタンパク質量を増やすことで、コハク酸量が1.5倍に増加することが明らかになりました。上記2つの遺伝子改変を組み合わせたところ、コハク酸生産量が対照株の5倍に増大しました。

今回の研究により、二酸化炭素を原料としたバイオコハク酸の増産に成功しました。今後さらに研究を発展させることで、光合成の力を利用したバイオコハク酸の実生産につながることが期待されます。

本研究は、JST戦略的創造研究推進事業先端的低炭素化技術開発ALCAの一環として行われ、スイスの科学雑誌『Frontiers in Microbiology』のオンライン版(9月15日付け)に掲載されました。

詳細な発表内容は添付資料をご確認ください。

問い合わせ先

<発表者> ※研究内容については発表者にお問い合わせ下さい
明治大学 農学部農芸化学科 環境バイオテクノロジー研究室
専任講師 小山内 崇(おさない たかし)
TEL:044-934-7103
FAX:044-934-7103
<機関窓口>
明治大学 経営企画部 広報課
TEL:03-3296-4330
FAX:03-3296-4087
E-mail:koho@mics.meiji.ac.jp

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