実際の出力の様子
柔軟性のある樹脂の活用
明治大学総合数理学部の宮下芳明教授、大学院理工学研究科博士後期2年の高橋治輝さんは、熱溶解積層方式3Dプリンタを用いて、滑らかで凹凸感のあるシートを作成する手法を開発しました。
一般的に、3Dプリンタで作られたものの表面には、プラスチック樹脂の積層による段差が目立ち、ざらついた手触りになります。安価な3Dプリンタではこの問題の解決が難しく、滑らかなものを作ることが困難でした。
今回提案された造形方法では、3Dプリンタの樹脂の押し出し方や樹脂量を制御することで、さまざまな太さの構造を一度の押し出しで作り出します。プラスチック樹脂の積層を行っていないため、押し出された樹脂は滑らかな表面になり、これを敷き詰めることで、均一な凹凸を持ったシートを作ることができます。透明樹脂や柔軟性のある樹脂との相性が良く、蛇革のような感触や高級感のある見た目を日用品に付加する、などの応用が可能です。