明治大学理工学部機械工学科機能デザイン研究室(石田祥子専任講師)らにより球状ハニカムコアが開発され、第8回世界水フォーラムに展示されました。
背景と研究概要
日本では水道の蛇口から簡単に安全な水を手に入れることができますが、世界には水道インフラが整っていない地域、干ばつ地域等、生活に必要不可欠な水を手に入れることが困難な地域が広く存在します。今後、世界の人口増加と水需要の高まりにより、水不足の地域がさらに増加することが予測されています。明治大学理工学部機械工学科機能デザイン研究室では、NPO楽市楽画(理事長 打田純二)との共同研究のもと、水を貯蔵し運搬する容器の骨組みとなる球状のハニカムコアを開発しました。ハニカムコアは軽くて強い構造として知られていますが、これを球状にし折りたたみできるように設計することにより、必要な時に大きく広げ水を注入し、タイヤのように転がしたり、浮輪のように水上に浮かせながら必要な地域に水を運搬する方法が検討されています。
第8回世界水フォーラムへの展示
試作された球状ハニカムコアは直径40cmのプラスチックフィルム製で、「Sharing Water」をテーマとする第8回世界水フォーラムにおいて、NPO楽市楽画の取り組みと共に展示されました。開催国ブラジルの政府関係者をはじめ、水事業に従事する技術者、研究者、報道機関等、多くの方が当ブースを訪れ、球状ハニカムコアと水運搬の取り組みに関する説明に熱心に耳を傾けていました。
世界水フォーラムとは
世界水フォーラムは、水事業に従事する企業や技術者、研究者、NPO団体、各国の政府関係者が参加し、地球上の水問題解決に向けた議論や展示等が行われる国際会議です。3年に1度開催され、第8回世界水フォーラムは2018年3月18日~23日、ブラジルの首都ブラジリアにて開催されました。