明治大学文学部は2018年11月30日(金)、NHK 朝の連続ドラマ「あまちゃん」の音楽でレコード大賞作曲賞を受賞するなど、映画やテレビの音楽で活躍中の音楽家・大友良英氏を講師に迎え、講演会「即興と社会—震災後に生まれつつある新しい祭りをテーマに—」を開催します。予約不要、入場無料。
本講演会では、大友良英氏が「フェスティバルFukushima!」や「札幌国際芸術祭」等のディレクションをする中で見えてきたこと、感じていることを語ります。音楽の世界で行われてきた「即興」によるアンサンブルを丁寧に見ていくことが、この先の社会を考えていく上で重要なのではないか。言語に頼りがちな「思想」を考える上でも、非言語的な「即興」をキーワードにアンサンブルを見ていくことは有効なのではないか等をテーマに、来場者と一緒に「即興」でのアンサンブルを試み、実演を交えながら語ります。※来場者は楽器等の持参推奨(なくても参加可能)。
大友良英氏 経歴
1959年横浜生まれ、福島育ち。1983年明治大学文学部中退。映画やテレビの音楽を山のように作りつつ、ノイズや即興の現場がホームの音楽家。展示作品や一般参加のプロジェクトやプロデュースワークも多数。震災後は思春期を過ごした福島での活動も。またその活動で2012年には芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞。2013年「あまちゃん」の音楽でレコード大賞作曲賞受賞。2017年札幌国際芸術祭の芸術監督を務める。現在2019年NHK大河ドラマ「いだてん」の音楽を制作中。
講演会 「即興と社会—震災後に生まれつつある新しい祭りをテーマに—」
日時 |
2018年11月30日(金)18:30~20:30 |
会場 |
明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン3F アカデミーホール |
その他 |
入場無料・予約不要(満員の場合はお断りすることがあります) 楽器等持参(なくても参加可) |
大友良英氏のメッセージ
震災後、「多様化」あるいは「社会包摂」をキーワードに各地で様々なアートイベントや祭り(フェスティバル)が行われています。目指す方向はいいとして、実際の方法が従来のままであると、結局は「多様化」の名の下に強者の側に弱者が包摂されていくことにもなりかねないとの危機感を感じています。音楽の手法の一つであると思われている「即興」ですが、実はそこには「社会」を作っていく上での非常に豊かな可能性が含まれている上に、従来の強者や弱者といった視点が無化されたり、新たな価値観を生み出したりする可能性を含んでいる、そんな風に私は感じています。 今回の講演では、会場にいらしたみなさんに、可能であれば楽器または音の出るものを持ってきて欲しいと思っています。楽器の演奏経験やスキルは一切問いません。音の出るものであれば鍋やヤカンでも構いません。とはいえ講演聴講の必須条件ではありませんので、お気軽に参加ください。