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明治大学教育会設立の趣旨

 明治大学出身の教育関係者は,学校や学校以外の様々な教育機関で働いている方々を合わせると,現在5000人以上にもなる。これに退職された方々を加えれば,明治大学出身教育関係者のなかには,教育に関わる貴重な経験や知識,知恵,技術,技能が膨大に蓄積されてきているにちがいない。それらを体系的に構築し,大学関係者と相互に学びあう場があることは,教育関係者にとっても,大学にとっても,学生にとっても,教員養成上大いに意味のあることは多言を要しない。交流の場を名付けて「明治大学教育会」と言う。

明治大学は,昨年(2007年)までは,先行的に理工学部や文学部の出身OB・OG教員と両学部との交流の場をもってきたが,今年からは交流の場を大学全体で行うことにした。また,明治大学は校長・教頭(副校長)会を20年以上開催してきたが,この会のメンバーを現職の校長・副校長(教頭)のみとし,勇退された教育関係者は,明治大学教育会に包摂する形で運営していく。本学は2006年に「教師教育研究所」を立ち上げ,われわれ教職課程教員も経験を蓄積してきた。さらに,文部科学省の教員養成GP(GoodPractice)に採用されたテーマ「授業デザイン力形成支援プロジェクト」を実践することで得た知見,これら大学が持っている経験および知見と本学出身の教育関係者の経験や知恵とを発展的に統合し,会員全員の力量の向上をはかることをねらいとして「明治大学教育会」は運営されていくことになる。

そもそも教育という仕事に携わる人間は,自ら思索し,状況を判断し,それに合わせて,的確に行動する力量,すなわち自己決定能力をもっている必要がある。明治大学出身教育関係者が直接顔をあわせて,自らの経験や知識,知恵を交換し,自らの実践を語って分析しあい,相互理解を深め,自己の専門的能力,方法的能力,社会的能力など教育にかかわる基本的力量を高めていく場,研究的・人的ネットワ-クを作り上げる場,それが「明治大学教育会」にほかならない。
2008年11月15日
明治大学教育会