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在学生の声・卒業生の声

在学生の声
考古学専攻 3年
 
 考古学という学問に皆様はどういうイメージをお持ちでしょうか。
 映画ではインディ・ジョーンズが有名ですが、本当の考古学者はあんな冒険はしません。
 実際、考古学という言葉は知っていても、何をする学問なのか分からないという方が多いと思います。
 考古学は、過去を考える学問です。
 「恐竜発掘したりするの?」と聞かれることもよくあります。
 たしかに恐竜も古い時代の話ですが、考古学が専門とするのは人類が地球に現れてからの歴史です。
 その人類が残した石器などの物的証拠をもとに歴史を明らかにし、さらに社会的発展と自然との共生の関係を現在の私たちに還元させることが大きなテーマとなっています。
 考古学は物質を通して人類の歴史を考えるので、地域によって専門があります。
 有名なのはエジプト考古学ですが、ほかにも様々な国において考古学が成立し調査が行われています。
 明治大学では日本考古学が盛んです。
 日本の考古学には「派手さ」はあまりないかもしれませんが、過去の人々が残したわずかな手掛かりに触れたとき、何かワクワクするような高揚感を感じます。
 普段は論文や基礎知識と格闘する毎日で楽しいとは言い切れませんが、自分たちで発掘調査に出向き、遺物を発見できたときは感動もひとしおです。
 考古学に興味を持っていただけたら、大学博物館や図書館でぜひ古代のロマンに触れてみてください。
 
卒業生の声
 学部3年の夏、縄文遺跡の発掘調査に参加し、初めて自分の手で土偶を発掘しました。
 約3千年の時を経て、今なお存在する土偶。教授は土偶ではなく、感涙を流す私を写真に納めていました。
 その写真は、考古学研究室に今も保管されていると聞きます。
 県立博物館で学芸員の職に就いている現在、主に展示活動と教育普及業務に携わっています。
 今までに研究してきたことや、経験したことを話す機会も多くあります。
 一般の方に、感動はよく響きます。
 しかし、感動は考古学によって検証されなければなりません。
 大学で学んだ考古学とは、「最古」や「最大」などで飾られた感動ではなく、過去の積み重ねを読み解く地道な研究の継続でした。
 考古学専攻では、考古学概論などの専門的な勉強が1年生から始められます。
 研究室のフィールドワークも多く、それらによって得られた資料を基に自前の博物館があり、土器や石器、土偶などの実資料を手にして勉強ができたのも利点でした。
 また、旧石器時代から古代まで、各時代の研究をリードする教授陣の顔ぶれも多彩で、自分の専門分野だけではない、広い視点を得ることもできました。
 大学を卒業して10年。
 考古学に裏づけられた感動を、少しは伝えることができるようになってきたような気がします。
 1年の時に受講した、大塚初重先生の考古学概論のプリントとノートは、今も手元に置いています。
 だいぶ褪色し、年季が入ってきたようです。