文学部紀要
在学生の声 |
西洋史学専攻 3年
私にとって西洋史学専攻に入学しようと思ったきっかけは、高校生の世界史の授業でヨーロッパの歴史に大変興味を持った点にあります。
以来、私は世界史の教科書を食い入るように見ては彼らの歩んできた歴史に思いを馳せていましたが、しかしいざ大学に入学してみるとそう言った今までの教科書での学習はありません。
これは大学のどの学部にも言えることだと思いますが、自分の手で史料や文献を探し、そしてそれらを読み解いていかなければ ならないのです。
そこで明治大学の西洋史学専攻では、私は1・2年時の授業で英語やドイツ語で書かれたテキストを読むことで、外国の史料や文献を読むために必要な基礎を身につけ、さらに史料の価値や真偽性を判断するための史料批判のプロセスを学びました。
こうした史料や文献を読むための読解力やプロセスは、西洋史学を専攻する上で重要なカギとなるものですし、卒業論文を書くにあたってもやはり必要となってくるものです。
1年時から現在に至るまで、私はチェコの歴史を勉強していまして、とりわけ18世紀後半から19世紀にかけてのボヘミア地方におけるナショナリズムの高揚について研究していますが、英語やドイツ語、チェコ語などで書かれたボヘミア地方に関する史料や文献を日本語に訳したものはまだまだ少ないです。
それ故に、そうした1・2年で培ってきた様々な外国語の読解力がここでフルに生かされてくるのだと実感しています。
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卒業生の声 |
私は2022年3月に明治大学文学部史学地理学科西洋史学専攻を卒業しました。明治大学の西洋史学専攻で学ぼうと考えた理由は二つあります。一つは歴史というものに興味が幼いころからあったこと、もう一つは高校の世界史の授業を通して、歴史の中でもヨーロッパの歴史に興味を強くもったこと。これらの理由から文学部の史学地理学科の中でも西洋史学専攻を選び入学しました。
入学後は歴史学の概論やヨーロッパの国々の歴史などの講義だけではなく、1年生からゼミ形式での演習を通して、歴史を学ぶとはどういうことなのか、また外国語文献の読解などを学んでいきました。3年生からは自分自身の興味関心を持ったテーマでゼミを選択し、文献や史料を探し、学びを深め、卒業論文を書き上げました。 この3年生からのゼミでは、自分とは異なる分野に興味を持った同期のゼミ生の発表を聞くことによって、自分自身の学びに大きな刺激を受けました。 卒業後は家業の関係で西洋史学とも、歴史学とも異なる分野の大学院に進学しましたが、その異なる分野での研究の中でも、西洋史学専攻の4年間を通して学んだ、自ら問題を立て、文献を探し読解し、根拠を示し、自分自身の意見を表明するという思考・表現方法が役立ちました。 私自身もそうですが、西洋史の学びが直接、職業に結び付くものではないかもしれません。しかし、様々な問題を抱えている私たちがいま生きている世界を考えていくうえで、私たちのいまの生きている世界にも影響を及ぼしている欧米諸国の歴史・文化の理解を深めることは大切なことであると思います。そのことが可能な西洋史学専攻は自分の周囲だけではなく、世界全体という視点を広げることのできる貴重な場所だと思います。 |