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法学部

2012年度ケンブリッジ大学夏期法学研修を実施しました

2012年09月20日
明治大学

研修最終日・修了証授与式後にカレッジ中庭で研修最終日・修了証授与式後にカレッジ中庭で

 法学部は,夏季休暇中の8月12日から9月11日まで,イギリス・ケンブリッジ大学において「ケンブリッジ大学夏期法学研修」を実施しました。2010年に始まり3回目の実施となる今年度は,2年生25名,3年生5名の計30名の法学部生が参加し,伝統あるコーパス・クリスティカレッジでの授業と学生生活をおよそ1ヶ月にわたって経験しました。
 法学研修の授業は,司法制度,民事法,刑事法などイギリス法の各分野について経験豊富な講師から学ぶセミナー(20回),ケンブリッジ大学出身の若手研究者や実務家から国際刑事法,国際人権法などの専門的なトピックを学ぶ講義(10回),ライティングとスピーキングを重視する法律英語(12回)から構成されています。さらにロンドンの国会議事堂や王立裁判所の見学,ケンブリッジ市内の裁判所での裁判傍聴とレポート作成,ケンブリッジ市庁舎内の旧裁判所法廷を利用した模擬裁判が行われました。
 ほとんどの学生にとって,本格的に英語でイギリス法を学ぶのは今回が初めての経験でした。そのため法学部では,研修前に,留学基礎講座を設置して,学生が現地の授業についてゆくのに必要な英語およびイギリス法の基本知識を学習させています。この事前学習によって,学生は現地でよりレベルの高い授業に積極的に参加することができるようになっています。また現地では,ケンブリッジ大学の法学部生をプログラムアシスタント(PA)として配置して,学生が学習・生活上の質問・相談をできるように配慮しています。これらの成果が実を結び,学生は充実した生活を送るとともに,ケンブリッジ大学のジャッキー・トーマス先生からは,「学生は授業をよく理解できている」とのコメントを頂きました。
 法学研修の目的は,ひとことで言えば,「グローバルに活躍できる人材」の育成にあります。そして過去3年間,この目的は着実に達成されつつあると信じています。現地での法学授業は,イギリス法の専門知識の習得と英語力の向上をまず目的にしています。しかし法学研修で得られるものは,それだけではありません。判例のプレゼンテーション,裁判傍聴レポートの作成,模擬裁判,これらをグループで行うことを通して,学生は協調性とチームワークの重要性を学びます。学習以外の外国生活体験,例えば電車で旅行をしたり,パブで地元の人と知り合ったりすることを通して,学生は主体的に行動し,初めて見聞するものに積極的に挑戦するチャレンジ精神を育みます。同じ目標をもった30名の仲間とともに1ヶ月間の共同生活を送ることは,学生の学力を向上させるだけでなく,自らの人生に対する見方を変えます。
 現地で授業と模擬裁判を見学すると,学生の表情が出発前とは異なって,自信に溢れかつより大人びていることに気づきます。ケンブリッジ大学のスタッフの一人が,明治の学生を評して述べた言葉があります。「彼らはindependentだ(自立している)。」これは最上級の褒め言葉であると思います。
 法学部では,2013年度もケンブリッジ大学夏期法学研修を実施する予定です。

(法学部教務主任・准教授 小室輝久)